290yd超でも「全然飛んでない」 53歳の飛ばし屋・兼本貴司が目指す2度目のアメリカ
◇国内シニア◇いわさき白露シニアゴルフトーナメント 2日目(23日)◇いぶすきゴルフクラブ(鹿児島)◇7052yd(パー72) 【画像】16歳のドラコン王 ドラコン賞がかかるパー5の18番(508yd)、兼本貴司は気合を入れて1Wを振った直後に「ダメだ~」と笑った。「きのうは力んで“ドヒール”。きょうは“止めとこう”と思って9.5割でいい」と軽く振るつもりが、いざとなると切り返しで力んで再びヒールに当たった。「全然飛んでない」と話したが、フェアウェイど真ん中、ピンまで残り217ydまで運んでバーディで締めた。 持ち前の飛距離を生かし、この日は545ydの13番(パー5)でイーグルを奪取。「ドライバーをポキっと打って、残り254ydだったと思う」とフェアウェイ左サイドから3UTでピン右3mに2オンさせた。1イーグル5バーディ、2ボギー「67」で回って、通算6アンダー4位で終えた。
渡米に一歩近づいた。現在5位の賞金ランクをひとつ上げれば、「賞金ランク上位4位」の資格で来年のシニアメジャー「全米シニアプロ」と「全米シニアオープン」の出場権が得られる。昨年は、2022年にランキング3位で終えて人生ではじめてアメリカの地を踏んだ。 昨年の全米シニアプロは予選落ちに終わったが、全米シニアオープンでは2日目にベストスコア「67」をマークして、初日128位の出遅れを取り戻して4日間戦い切った思い出がある。「おもしろかった。七転八倒だったけど」と再挑戦への思いは強い。 昨年はショットの不調に悩み、国内シニアで賞金ランク33位とシードを逃した。今季は3月に本コースで行われた最終予選会でトップ通過を果たして出場権を獲得。4月「ノジマチャンピオンカップ箱根」でシニア通算2勝目を挙げた。 ショットの状態は徐々に戻り、「ガンガン芯に当たりだした」。1Wのキャリーは290~300ydとパワーは健在だ。「やっぱりメジャーに出たい。運が良ければ、行けるかな」とシーズン最後の一日にかける。(鹿児島県指宿市/谷口愛純)