【MotoGP】右腕4度目手術……苦難終わらないマルク・マルケス「悪夢みたい」
5月28日、MotoGP第8戦イタリアGPの2日目にホンダはマルク・マルケスがレース終了後に、2020年に骨折した右腕の4回目の手術を受けることを発表した。 【画像】アプリリアがMotoGPバイクに『リヤウイング』投入 2020年スペインGPで激しいクラッシュを喫し、右腕上腕骨を骨折したマルケス。彼はこれまで同箇所で3度に渡り手術を行なってきた。 ホンダによると、2021年からはレースに復帰できていたものの、ここ数ヵ月間状況が芳しく無く、以前から重ねていた検討の結果、5月31日に4度目の手術を受けることが決まったという。 彼は現在、「ライディングを楽しめていない」状態で、「かなり苦しんでいる」ため、手術を促されたと語っている。そして、4回目の手術を受けることが、完璧な健康状態に戻るための唯一の方法なのだという。 「(2020年の怪我から)バイクに戻ってきて以来ずっと、僕は大きな限界を感じていた」とマルケスは言う。 「たとえこうなっても、僕は諦めないしプッシュし続けて、取り組みを継続して、ドクターの言うことをするよ」 「過去数ヵ月、僕はアンゲル・コトッロ医師に意見を求めて、これを腕(の手術)に関して最後の機会にしようと一緒に取り組みを開始させていたんだ」 「でも今シーズン、自分が楽しめていないこと、かなり苦しんでいて痛みもあって、パワーを出せていなくて、望むように乗れていないと分かったんだ」 「そして、左腕でよりプッシュしていることで、左肩も負傷し始めてしまっていた」 「僕のパフォーマンスは悪くはない。でも僕が望んでいるモノじゃないんだ。だから先生たちと、長い時間をかけて評価してきた」 「(昨年の)10月、複視を患った時に先生には『腕で何か(治療を)するのを検討しないのか』と話したんだけど、骨が完璧に固まっていないこともあって、リスクが大きすぎると言われた。それで自分自身のことを第一に考えて、冷静さを維持していた」 「それから復帰してこの4ヵ月間はたくさん作業してきたけど、何も改善が見られなかった」 「それでヘレス戦の後にまたミーティングを開いて、すべてを再評価し、また先生たちも再手術の検討を始めた」 「悪夢みたいだよ。でもすぐに戻ってこれると信じている。大変だろうということも分かっているし、どれくらい時間がかかるかは分からないけどね」 「今すべきことがあるのは間違い無い。すぐに戻ってこれるかは様子を見ることになるけど、急ぐことはない」 マルケスは手術を受けることになるマヨ・クリニックについては、医師から”世界最高”と紹介を受けたと言い、今回の手術の決定に際しても、3Dプリンターを用いた骨による説明が、大きな役に立ったという。 「信じられないかもしれないけど、昨日フリー走行の間の真昼に、マヨ・クリニックのホアキン・サンチェス先生から電話があったんだ。先生は(患部の)回転をしっかりと評価するために、骨を3Dプリンターで印刷していたんだ」 「電話で先生は僕に『手術に疑うところはないから、来なさい。君が何をしているのかは知らないが、(骨の)回転度合いが大きすぎるから、ここで修正する』と話していた」 「もちろん、それは手術するということだけど、そうすべきだと信じていた。そして、こうなったわけだ」
Lewis Duncan