合併巧者の慶応、いよいよ唯一の「総合大」へ王手に近づく
学校法人の慶応義塾と東京歯科大学はが東京歯科大の歯学部を慶応義塾大学に統合し、法人を合併する協議を始めた。時期は2023年4月をめどとする。これにより慶大は日本の総合大学として初めて医学部、看護医療学部、薬学部、歯学部の医療系4学部を持つことになる。 総合順位では東大だけど、「教育資源」でトップだった大学とは? 東京歯科大の創設者は慶応義塾の出身であり、慶応義塾三田キャンパス(港区三田)の近くに高山歯科医学院(現在の東京歯科大)を開校した。歴史的関係を一要因に、東京歯科大が統合・合併を申し入れた。慶応義塾は医歯連携や医工連携の教育・研究、付属校生徒の進路拡大を期待して協議開始を決めた。 <記者の目> 慶応は10数年前に共立薬科大学を吸収合併している。当時、記者会見で共立薬科側が、「経営状況はまったく問題ないけれど、近隣でもあり合併した方が、関係者のプラスになると判断した」といった発言を耳にして、「すごいなあ、慶応にはこんな優良な話が寄せられるのか」と思ったものだ。もちろん法人、医学部双方のブランド力が高いためであり、合併でそれに磨きがかかっている。今回も同様だ。これにより医学、看護学、薬学、歯学がそろうのだが、4学部をそろえる総合大学は唯一と知ってさらに驚いた。
日刊工業新聞・山本佳世子