[プリンスリーグ中国]新たな成長の機会を獲得。後半45+4分の劇的V弾で、高川学園が初のプレミアプレーオフ進出!
[11.23 プリンスリーグ中国第18節 広島皆実高 0-1 高川学園高 広島皆実高校G] 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 高川学園が初のプレミアプレーオフ進出! 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2024 中国は23日に第18節を行い、暫定3位の高川学園高(山口)が同7位の広島皆実高(広島)と対戦。後半45+4分に交代出場MF西岡剛志(3年)が決勝点を決め、1-0で勝った。勝ち点1差の暫定2位・立正大淞南高(島根)が玉野光南高(岡山)と3-3で引き分けて全日程を終了。消化試合の1試合少ない高川学園が、最終戦を前にプレミアリーグプレーオフ(12月、広島)圏内の2位を決めた。 ホームの広島皆実は選手権広島県予選準々決勝で敗退。18回目の全国大会出場を果たすことができなかった。それでも、リーグ戦残留へ向けて準備。この日は、GK井本悠聖(2年)、DF折出勘太(2年)、杉山遼(2年)、表恵佑(2年)、MF迫田提亮(3年)、主将の佐々木喬胤(3年)、野村陸路(2年)、木村悠哉(3年)、名越貫陽(2年)、藤原誉(3年)、FW久保田聖渚(1年)の11人が先発した。 一方、6日前に選手権山口県予選6連覇を果たしたばかりの高川学園だが、気持ちを切らさずにこの一戦を迎えていた。「甘えを許さないのは、良い思いをして欲しいし、良い景色を見て欲しいから」と江本孝監督。この日の先発はGK高城柊哉(2年)、DF柿本陽佑(3年)、金原知生(3年)、長濱朱哉(3年)、沖野眞之介主将(3年)、MF宮城太郎(2年)、細見颯斗(3年)、中津海蓮恩(3年)、松木汰駈斗(3年)、FW大森風牙(2年)、田坂大知(3年)。プレミアリーグプレーオフ初進出が手に届く位置にいる中、「一戦必勝。今日の1日で成長するぞ」(江本監督)と試合でまた成長をすることを目指して大一番に臨んだ。 試合は、キックオフ直後のファーストプレーから広島皆実が非常にエネルギッシュな戦い。小熊和人監督が「この試合のために準備してきた。(選手たちは)頼もしかったです」と評したように、強度の高い動きを見せる木村らが気持ちを前面に出して戦っていた。 セカンドボールの攻防で目立つ野村が、ワンツーからDF背後へパスを通すなど相手ハイラインの背後を意識したゲームメイク。また、1年生FW久保田が最前線でボールを収めて攻撃の起点になり続けて見せる。そして、中盤から藤原や木村、名越がスペースへ飛び出すなど高川学園にプレッシャーをかけた。 だが、高川学園はこの日攻守に存在感のある動きを見せた沖野や、金原が落ち着いて対応。逆にGK高城からパススピード速くボールを動かし続け、3人、4人の関係性で局面を攻略するシーンもあった。特に右サイドの中津海が、マークを外して2度3度とクロス。また、推進力のある柿本や長濱が攻め上がって崩しに係わっていく。 広島皆実は26分、野村のスルーパスで久保田が抜け出すが、シュートは高川学園DF柿本がブロック。高川学園も柿本を起点としたカウンターから中津海がチャンスを迎えるが、広島皆実のGK井本や迫田が身体を張ってシュートを阻止する。 0-0の後半開始から、高川学園は長濱をDF行友祐翔(3年)へ交代。広島皆実も藤原とMF柚木健治(2年)を入れ替えた。後半立ち上がり、広島皆実は木村の右ロングスローから柚木がヘディングシュート。直後にも木村が右サイドを突破し、その折り返しから久保田の放った右足シュートがクロスバーを叩く。 高川学園も交代出場DF行友が右サイドから強引にDF前へ潜り込んでラストパス。また、柿本や松木のプレースキック、前線で身体を張る大森へのロングボールを交えた攻撃から田坂や宮城がセカンドボールを回収するなど、攻撃回数を増やしていく。だが、クロスの精度、ゴール前での迫力を欠いたほか、広島皆実は折出、杉山の両ストッパーが前に強い。広島皆実は集中した守りを継続。迫田や佐々木が確実に相手ボールを跳ね返し、3バックの中央に構える表が粘り強い守りでマイボールに変えて咆哮していた。 広島皆実は後半13分にMF藤井陽空(3年)を投入。その後、FW熊澤輝心(1年)もピッチへ送り出す。高川学園は後半15分頃から全体的にアクションが増加。沖野が最終ラインから持ち上がる回数を増やし、相手ボランチ脇を狙う細見がボールに係わり続けてサイドを崩しに行く。 高川学園は31分にMF西岡剛志(3年)、40分にはFW託見柊威(3年)を投入。相手のクリアを回収して宮城らが繋ぎ、浮き球の攻防で先に触るシーンを増やして圧力をかける。45+3分には沖野のパスが前線の託見へ通り、左足シュート。広島皆実も柚木や熊澤、木村が速攻を狙い続けていたが、45+4分に高川学園がゴールをこじ開けた。 中盤の浮き球を身体を張って頭で繋ぎ、左中間の大森がDF裏へスルーパス。DFと競りながら前に出た西岡が右足シュートを右隅に決め、先制した。高川学園はベンチの選手たちも飛び出して歓喜の輪。広島皆実もすぐに攻め返し、柚木がドリブルでPAへ深く切れ込む。諦めずに同点のチャンスを作ったが、そのまま試合終了。高川学園が2位とプレミアリーグプレーオフ進出を決めた。 高川学園の沖野は、「決めてくれると信じてたんで、決めてくれて、そして勝ち点3持ち帰れたんで嬉しいです」と微笑。「去年、先輩たちがプリンス(リーグ中国)に上げてくれて、新チーム立ち上げ当初からプレミアの参入戦を目指してきた。1、2年生にいい思いをさせてあげるためにも参入戦に行かないといけない」という思いを結実した。 年代別日本代表のFW山本吟侍(現関西学院大)やDF藤井蒼斗(現立命館大)という下級生時から主軸だった柱が卒業。江本監督は今年のチームについて、「特別じゃないことを分かった上でひたむきにやり続けた。選手たちが継続してやり続けてくれました」と称える。そして、「スタッフがいい準備をしてくれた。トレーニングで課題を修正することに時間をかけてやってくれました」と感謝していた。 ここから2週間、プレミアリーグプレーオフへ向けて準備をすることでまた成長することができる。チームにとって初めての経験。プレッシャーもあるが、選手たちは一戦必勝で歴史を塗り替えに行く意気込みだ。大森は「まず来年のためにと、自分も味方のためにもとにかく走って、プレミア昇格決めれるように頑張っていきたい」。プレミアリーグプレーオフでは、各地域のプリンスリーグ上位チームと対戦。昇格を勝ち取るためには2勝が必要だ。Jクラブユース勢と戦う可能性があり、難しい戦いになることは間違いない。それでも、堅守、継続する力を持つ高川学園は、一戦必勝でより成長する機会を勝ち取る。
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