フランス株と債券下落、ドイツ債との利回り差拡大-格下げ響く
(ブルームバーグ): 16日の欧州債市場では、フランス債の軟調が目立つ。極右政党・国民連合(RN)を事実上率いるマリーヌ・ルペン氏が左派連合と手を組みバルニエ内閣を倒したことに加え、ムーディーズ・レーティングスが週末にフランスの格付けを引き下げ、同国の当局者には一段と圧力がかかっている。
フランス10年債利回りは一時3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.07%、ドイツ債との利回り差(スプレッド)は81bpに拡大した。フランスの代表的な株価指数であるCAC40は一時0.8%安と、ストックス欧州600指数の下落率を大きく上回っている。
ムーディーズは14日、フランスの信用格付けを「Aa2」から「Aa3」に引き下げると予定外の発表を行った。「Aa3」は最高位の格付けから3段階下。格下げは同国の公的財政を巡る懸念が理由だった。
サクソバンク・フランスのセールス・トレーディング責任者、アンドレア・トゥエニ氏はフランス債の動きが限定的であることを挙げ、「現時点でパニックは起きていない」と指摘した。
一方、ダンスケ銀行のチーフアナリスト、イェンス・ペーターセーレンセン氏は「フランス国債の投資家は通常、安定した資金源だが、格下げでこれは変わるかもしれない」との見方を示し、1月末までにフランス債とドイツ債のスプレッドは100bpへ拡大するだろうと予測した。
原題:French Bonds, Stocks Slip After Moody’s Downgrades Credit Rating(抜粋)
--取材協力:Alice Gledhill.
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Greg Ritchie