セレッソ大阪 取材カメラマンが狙う!Jリーグ2021注目選手(14)
J2021年のJリーグがいよいよ幕を開ける。本稿では新たなシーズンに挑むJ1各チームの注目選手を2名ずつピックアップ。チームとしてのポイントも紹介する。ニュースターの誕生を期待したい。 【動画】選手たちの活躍が見られるセレTube
◎セレッソ大阪
安定した成績でチームを上位に定着させたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督との別れを選び、レヴィー・クルピ監督との再会を選んだセレッソ。2017年にユン・ジョンファン監督が守備とハードワークをチームに植え付けたところから始まった堅実路線は、自由で攻撃的なクルピサッカーに回帰することで終わりを告げようとしている。 堅実なサッカーを保ったまま攻撃的にすれば最高のチームになるのではないか、という考え方もあるが、2017年からチームに加わり、守備の象徴だったマテイ・ヨニッチがチームを去ったことでその難易度は上がった。 2014年に『史上最攻』と銘打ったチームはJ2降格という事態に陥った。そこからJ1に戻り、堅実なチームとしてタイトルを獲得し、上位定着も果たした。4チームも降格するこのタイミングでの攻撃回帰は嫌な予感も漂うが、楽しみな若手アタッカーが豊富なことも事実だ。 香川真司や乾貴士、南野拓実らのようにクルピ監督のもとで飛躍を果たす候補の筆頭は西川潤だ。昨年は体調不良でチャンスを逃すこともあり、限られたプレー時間の中で本領を発揮したとは言えなかった。創造性を選手に託されるクルピ監督のもとで力を見せつけてほしい。 昨年大活躍を見せた坂元達裕もクルピ監督のサッカーで更にプレーの幅を広げそうだ。他にも、松本泰志や山田寛人、藤尾翔太ら、あと一歩で殻を破れそうな選手も多い。 守備の不安よりも期待が上回る。それがクルピ監督の魅力だ。 クルピ監督のもとから再び世界に羽ばたく選手が登場することを楽しみに待ちたい。
■注目選手(1) DF:瀬古歩夢
中盤に攻撃的な選手を配し、その創造性に任せることで若手の育成が進むクルピ監督のサッカーでは、攻撃が機能したとしても守備陣の負担は大きくなる。昨年急成長を遂げた瀬古がどこまでその力を見せつけてチームを支えるか、というのがシンプルな注目ポイントだが、それだけではない。 絶対的な要であったヨニッチの代わりを簡単に見つけることはできない。ヨニッチがいないだけでなく、木本恭生は名古屋グランパスに移籍した。ロティーナ監督の守り方を経験している主力センターバックは瀬古のみになった。チームは進藤亮佑、鳥海晃司、チアゴ、ダンクレーを獲得したが、誰がプレーするとしてもロティーナ監督の指導は受けていない。培ってきた堅実さに自由度を加える、という皮算用の土台の部分が揺らいでしまっている。 昨年までの堅実さを保つならば、瀬古が新加入の選手たちに細かい部分まで伝えて感覚を共有しなければならない。 ロティーナ監督の指導、そしてヨニッチの隣でプレーすることで大きく成長してきた瀬古がディフェンスリーダーとしてどこまで守備陣を引っ張れるのか。それが楽しみだ。 20歳にして伝える側に回らなければならないその経験は、瀬古個人を更にレベルアップさせるだろう。昨年とは全く異なる成長のチャンスが訪れている。