いつもとは違う“静かな進水式” 漁師の息子の8年越しの夢「親の跡を継ぎたい!」が実現 新たな船出に激励届く【#コロナとどう暮らす】
12月1日、愛知県の豊浜漁港で行われた、漁船の“進水式”。 漁師にとって一生に一度あるかないか…といわれる大イベントですが、新型コロナの影響で、規模を縮小して行われました。 コロナ禍でも前向きに、一人前の漁師として第一歩を踏み出した若者に、漁師の父親や周囲からエールが送られました。
南知多町にある豊浜漁港。8年越しの夢の実現を実現し、漁師の父親の跡を継いで、新しい漁船を造ったのは飯田竜平さん(26)です。 この日は、新しい船を初めて水に触れさせる“進水式”が行われる予定ですが、進水式を控えた新しい漁船は、まだ陸にありました。
今から8年前、愛知県の水産高校に通っていた竜平さん。すでにこの頃から心は決まっていました。 「実家が漁師だけど?」(記者) 「いつかは 多分(跡を継いで)やります」(高校3年生の時の飯田竜平さん/2012年取材) 水産高校を卒業後、カツオ漁船などに乗り、3年ほど前に実家に戻ってきました。 現在は父親と一緒に、シラスやイワシの漁を行っています。船員の中では一番の若手です。 実家に帰るなり、竜平さんが決意したのが、新たに船を造ることでした。父親が持つ3隻の船のうち、1隻が老朽化していたためです。
進水式の準備を進めていると、竜平さんの父親・飯田豊彦さん(68)がやってきました。新しい船の操舵(そうだ)室に、神棚を持ってきたのです。 「健康で事故のないのが一番。漁はその次でね」(父・豊彦さん)
漁師にとって、“一生に一度あるかないか”という大事な進水式。“晴れの1日”のはずが、ここでも、新型コロナの影響が出ているといいます。 「喜んでもいいけど、喜びづらい。いつもなら餅投げして、音楽を流して、人を呼びますが (いまは)呼びにくい」(竜平さん) 通常は多くの人が集まり、餅投げや宴会を行いますが、今年は感染対策のために静かな進水式になりました。