衆院解散で政倫審の議決効力失効 対象の自民議員43人出席応じず
自民党派閥の裏金事件を受け、先の通常国会で自民議員に衆院政治倫理審査会への出席を求めた議決の効力は、9日の衆院解散で失効する。自民の衆院議員43人は審査対象と議決されながら、出席に応じていない。 政治資金収支報告書に不記載があったのは衆院51人、参院32人に上る。衆院政倫審への出席は、旧安倍派と旧二階派幹部6人と、不記載ではない岸田文雄前首相にとどまったため、5月、野党が申し立てた自民議員44人を審査対象にすると全会一致で議決。1人は公選法違反事件で議員辞職した。 議決に強制力はなく、自ら出席を申し出る議員は一人もいなかった。議決の効力は衆院解散か任期満了でなくなるため、野党は今月の臨時国会でも政倫審への出席を重ねて要求した。立憲民主党の笠浩史国対委員長は「最低限の説明責任を果たしていない裏金議員には、衆院選で厳しい審判が下る」と非難。衆院選後も追及を続ける構えだ。 参院では32人を対象に議決したが、出席は世耕弘成氏ら3人。参院政倫審は今年が初開催だったため、効力の扱いは与野党で協議中だ。