今春センバツ候補に推薦の県立・横浜清陵、選手の自主性を重視する『部活の自治』で甲子園初出場なるか
日本高野連は13日、来年3月18日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する第97回センバツ大会の「21世紀枠」の最終候補9校を発表した。全国9地区から1校ずつ推薦され、来年1月24日に出場32校を決める選考委員会で一般選考の30校とともに2校が選ばれる。関東・東京地区からは、秋季神奈川県大会8強の横浜清陵が選ばれ、春夏通じて初の甲子園出場に前進した。 神奈川の県立校としては初めての関東・東京地区の候補に残ったが、特別なことは何もしない。この日は部員25人のほぼ半分を占める2年生が北海道に修学旅行中。1年生は自主ミーティングを行った。特長は徹底した「部活の自治」。就任5年目となる野原慎太郎監督(42)は「練習メニューは生徒が考える。夏のベンチ入りメンバーの決め方も生徒に話し合わせている」と強調する。 神奈川・東海大相模時代は控えながらセンバツ甲子園優勝を経験。横浜国大に進み、高校時代と違った野球に出会った。「学生主体でやらせてもらった。ガリ勉でもやれば勝てると分かった。今はその延長上にいる」。指導者になったころは頭ごなしに教えもしたが、ここ数年は選手の自主性を重視。目立った選手はいないが、選手自ら「甲子園で勝つ」をスローガンにして力もつけた。 東海大相模の大先輩で元中日スカウトの石井昭男さん(69)がときどき指導に来てくれてレベルアップ。今秋は夏場に頭角を表した内藤大維投手(2年)らが活躍した。11月に行われた明治神宮大会を制した横浜の村田浩明監督とはともに公立校を率いていたころから10年来の付き合いという野原監督は「合同練習もしました。先日も、一緒に甲子園へと言われましたが、自分の力でどうにもできないことは考えません」。これまでと変わらぬ日常を過ごして、盟友とのアベック甲子園の吉報を待つ。
中日スポーツ