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世界最大のサメ、ワニ、クモ 巨大生物が教えてくれる意外なこと

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ナショナル ジオグラフィック日本版

過去をのぞき見る窓

 巨大な動物を記録すべき理由はほかにもある。それらは、過去について教えてくれるのだ。 「巨大な動物はデータポイントとして極めて有益です」と話すのは、米テネシー大学で古代のワニを研究するステファニー・ドラムヘラー=ホートン氏だ。  例えば、「スーパークロコダイル(SuperCroc)」の愛称を持つ全長約12メートルのサルコスクス・インペラトル(Sarcosuchus imperator)が白亜紀に何を食べていたかを知りたければ、現生種で最大級のワニの食性が参考になる。2011年にフィリピンで捕獲され、2013年に死亡するまで飼育されていたロロンは、野生下では魚や鳥、哺乳類のほか、家畜まで捕食していたと考えられている。 「古生物が何を食べていたのかは、現生種から推測できます。最大級の個体を調べることは有効な方法です」とドラムヘラー=ホートン氏は説明する。  さらに、今生きている個体の大きさは、現生種が狩猟や漁獲といったヒトの営みの影響を受け、どう変化してきたかを理解する助けにもなる。 「オニイトマキエイやジンベエザメなど、巨大な動物の歴史的記録を調べれば、昔は現在の海で見られる個体よりかなり大きかったことがわかります」。こう話すのは、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー、アンドレア・マーシャル氏だ。氏は、米カリフォルニア州に本部を置き、モザンビークに研究センターがある「海洋大型動物保護財団(Marine Megafauna Foundation)」の共同創設者でもある。  つまり人間は、「最も大きく、高齢で、成熟した個体をすべて捕り尽くしたということです」とマーシャル氏は言う。動物保護活動家にとっては、種を元の状態に戻すことに本気で取り組む必要があることを意味する。

大きさが裏目に出ることも

 巨大な体になるまで生き残ったのは、遺伝子や健全な生態系など条件がそろっていたためだ。ただ、体が大きくなれば、そのぶん狙われやすくもなる。  先史時代を連想させる見た目の淡水魚アリゲーターガーは、米国南部に生息し、全長2.5メートル、体重140キロ近くまで成長する。 「一定の大きさまで成長すれば、捕食者に狙われることはほとんどありません」と、米ルイジアナ州にあるニコルス州立大学の水圏生態学者ソロモン・デイビッド氏は説明する。  しかし、十分に成長したアリゲーターガーでさえ、狩猟用の弓具を持った人間にはかなわない。デイビッド氏によれば、あまりに多くのアリゲーターガーが「トロフィー(趣味の狩猟での記念品)」として殺されており、現在、一部の生息域では消滅の恐れがあるほど希少なこの種に悪影響が出ているという。  研究によれば、オオツノヒツジの場合、巨大な個体ばかりを人間が捕まえてきたことが、角の小型化につながっている可能性がある。また、密猟が原因で、牙のないゾウが生まれる割合が増えていると示唆する研究結果もある。 「私たちは群れの中で最も大きくて最高の個体を仕留めようとします」とデイビッド氏は言う。つまり、巨大な体をつくる「遺伝子を、私たちが取り除いているのです」

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