会津のパワースポット30カ所選定へ 会津歴史観光ガイド協
会津若松市の会津歴史観光ガイド協会は今冬、縁結びや安産などの御利益がある会津全域のパワースポット約三十カ所を選定する。観音像や古木、滝など地域の宝として守り継がれた遺構や自然を“聖地化”し、誘客に向け発信する。日本遺産の「会津三十三観音めぐり」、キリシタン文化にも光を当て郷土の遺産を保存継承する機運も高める。 選定を検討している主な名所は【下記】の通り。会津若松市の鶴ケ城にあるハート型の石垣など恋愛成就に結び付く場所や、縁切りと縁結びの神様として知られる檜枝岐村の「橋場のばんば」などの名所を盛り込む。会津若松市神指町の未完の城・神指城を守護するように立つ高瀬の大木、心が浄化される場所として人気の猪苗代町の「達沢不動滝」をはじめ自然遺産も網羅する。夏至の早朝に磐梯山頂に重なる朝日を見ることのできる会津若松市高野町の「木流の馬頭観音」など、知る人ぞ知る場所も含む。 県のサポート事業に採択されており、選定場所と解説文を冊子として五千部発行する。今春発行した白虎隊や新選組の行動、会津の古戦場や城をまとめた四冊の第二弾に当たり、パワースポットと同時に歌人与謝野晶子や社会慈善家瓜生岩子、会津の武士道や食文化をまとめた冊子も発行する。いずれも協会所属の郷土史家が調査とまとめに当たる。
第一弾は歴史に詳しい人が探究のため利用するのを想定したが、第二弾は肩肘張らず文化に触れてもらう思いがある。与謝野晶子を紹介する冊子には〈五色沼いくつの色をしか呼べど数を知れるもあらぬ沼かな〉などの歌を掲載する。食文化はソースカツ丼や高田梅の歴史などを紹介し、美味を身近に感じられるようにする。 協会理事長の石田明夫さん(63)=会津若松市=は「会津を気軽に訪ねてもらうきっかけにしたい」と話している。 ■選定を予定している主なパワースポット ◆会津若松市 鶴ケ城のハート石、高瀬の大木、木流の馬頭観音、日新町おんば様 ◆喜多方市 新宮熊野神社「長床」の大イチョウ、会津大仏 ◆下郷町 日暮の滝 ◆檜枝岐村 橋場のばんば、三条の滝 ◆南会津町 福豆沢のマリア観音 ◆磐梯町 慧日寺近隣の清水 ◆猪苗代町 達沢不動滝、磐椅神社の杉 ◆湯川村 勝常寺薬師三尊 ◆柳津町 赤べこ、久保田三十三観音
◆金山町・三島町 霧幻峡 ◆会津美里町 法用寺の三重塔とへびのしめ縄、左下観音