亡命のシリア前大統領、目撃情報なし 親族がモスクワにアパート所有
(CNN) シリアのアサド前大統領がロシアに亡命して4日たつが、アサド氏や側近らの姿はこれまでのところ目撃されていない。 アサド氏がいる可能性があるのは首都モスクワの金融街「モスクワシティー」だ。この地区には高層ビル群がそびえ立ち、同国の大手行の多くが本社を置いている。豪勢な住宅や高級アパートも並んでいる。 人権・環境保護活動を行っている国際NGOのグローバル・ウィットネスが2019年に行った調査で、アサド氏の親族がモスクワシティー地区で少なくとも19戸のアパートを購入していたことが明らかになった。資産価値は計約4000万ドル(約60億円)とされている。アパート購入については、アサド一家もロシア当局も言及したことはない。 アサド氏がこれらのアパートの一つに滞在しているのか、あるいはロシア国内の別の場所にいるのかはわかっていないが、アサド一家は長年にわたりモスクワとつながりがある。アサド氏の父親の故ハフェズ・アサド元大統領と同じ名前の長男はモスクワ大学で学んでいる。 CNNはロシア科学・高等教育省のウェブサイトで長男ハフェズ氏の博士論文を見つけた。論文のテーマは数学に関するもので、物理学と数学の博士号を取得するために10月下旬に提出された。 記録によると、ハフェズ氏はシリア反体制派が同国第2の都市アレッポに攻め込んだ先月29日に自身の論文の審査を受けた。その後、アサド一族による50年以上にわたる独裁体制が一気に崩れた。