カープ野球はどこへ行った?【川口和久のスクリューボール】
慶彦さんの怒り
マウンドでの広島・遠藤。誰かに声を掛けてほしかった
いきなりマイクのスイッチを切ると、俺のほうに顔を近づけ、小さな声で言った。 「カワ、おかしくないか」 慶彦さんの目の中に、怒りの火がチラついていた──。 9月21日から東京ドームでカープが巨人に3連敗をしたが、俺はその2戦目、22日の試合で、カープの先輩・高橋慶彦さんと一緒にレジェンド解説(ドーム内だけのOB特別解説)をした。先発は巨人が菅野智之、広島が3年目の遠藤淳志。注目は菅野の開幕12連勝なるかだった。 巨人が2点先制した後、4回表に丸佳浩の人的補償で巨人から広島に移籍した長野久義が3ラン。菅野が珍しく弱気になり、2ボール1ストライクから甘いスライダーを投げ打たれた。 緊迫感もあっていい試合だった。慶彦さんは現役時代からかわいがってくれた先輩。武勇伝もたくさんある人なので、2人で昔話も交えながら楽しく解説をしていた。 その裏、遠藤がピンチ。二死ながら連続四球で満塁となり、打者・菅野に対し、ボールが2つ先行した。俺は「あれ?」と思った。慶彦さんをチラリと見たら、イライラしているのが分かる。その後、3ボール0ストライク。これはおかしいだろ。断っておくが、・・・
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週刊ベースボール