【ボクシング】内藤律樹がTKOでV4/木村vs.仲里のホープ対決はドロー
21日、東京・後楽園ホールで行われた東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチ12回戦は、チャンピオン内藤律樹(ないとう・りっき、29歳=E&Jカシアス)が、挑戦者4位の今野裕介(31歳=角海老宝石)を9回終了TKOで下し、同王座の4度目の防衛に成功した。 写真=内藤(右)は前日から7kgプラス。体が重く見えたが、本人は「そうは感じなかった。体が軽いくらいに思った」という
初回に左ショートをカウンター気味に当てて今野をグラつかせた。折々で右ボディフックを再三叩き込んだ。しかし、序盤3ラウンド、内藤は明らかに動きが少なく、リズムに乗り切れていないように見えた。 「足を使えば、今野さんがどんどん追い込んでくる。それでリズムに乗せたくなかった」(内藤) 軽快なフットワーク、滑らかなボディワーク。“カシアス2世”内藤の、父親譲りのストロングポイントだ。が、当然、相手次第。スタミナもロスする。戦い方に様々なバリエーションを加えるのは、さらに上を目指すためには必要だ。昨年10月に韓国で防衛を果たして以来、1年ぶりの試合ということも考慮しなければならない。けれども、この日の内藤は、リズムに乗るための動きを欠いていたように感じた。 今野の戦い方も生きる距離、つまり近距離をキープした。それは、「今野さんの動きが見えていた」し、自らの印象的なブローをヒットさせるためもあるだろう。それが、戦い方の幅を広げることにもつながる。それは十分に理解できる。だが、そこでの動きが“停滞”しているように感じた。ガードは上げているが、今野のノーモーションの右を何度もコツコツと浴びた。 「攻撃を引き寄せて打つ」ことを考えていたようだが、かつてのようにヒザを柔らかく使うことによってリズムを取れば、攻防に生きる。それは、どの距離にあっても必要なことのはずだ。 6回、今野の右ボディアッパーがみぞおちに炸裂した。動きの止まった内藤を、今野はなおも攻め立てた。「効いたように見えたかもしれないが、効いてなかった」と内藤は言う。もう一刺しはさせなかったものの、打たせてカウンターを狙うには、しかしあまりにリスキーな選択だったと思う。