【解説】電気料金値上げへ 早くも“真夏日”で今年の夏はピンチ? 値上げいつまで
日テレNEWS
17日は岐阜県の揖斐川(いびがわ)で猛暑日を記録し、「まだ5月なのに!」と驚いた人も多かったのではないでしょうか。これだけ暑いと夏に向けて心配なのが電気代です。来月も値上げが発表されました。 ◇もう冷房の季節到来? ◇家庭の負担さらに… ◇今後も電気代は上がる? 以上の3点について詳しくお伝えします。
■軒並み大幅アップ…大手電力7社が「家庭向けの電気料金」値上げ
17日は全国各地で気温が急上昇し、岐阜県の揖斐川では午後2時51分に35.1℃を記録。今年、全国初の「猛暑日」となりました。また、東京都心ではお昼過ぎに最高気温が30℃に達し、今年初めての真夏日になりました。東京都心で、“5月中旬”までに真夏日となったのは19年ぶりです。 慌てて扇風機を出したり、エアコンのスイッチを初めて入れたりした人もいたと思います。熱中症にも十分に気をつけていただきたいですが、一方で心配になるのが電気代です。
政府は16日、大手電力7社が国に申請している「家庭向けの電気料金」の値上げを了承しました。 【来月の使用分からの値上げ幅】 ◇北海道電力 +21% ◇東北電力 +24% ◇東京電力 +14% ◇中部電力 なし ◇北陸電力 +42% ◇関西電力 なし ◇中国電力 +29% ◇四国電力 +25% ◇九州電力 なし ◇沖縄電力 +38% 値上げを申請した大手電力7社では、東京電力が14%、最大の上げ幅となった北陸電力は42%と軒並み大幅な値上げになっています。これでも、当初の申請より値上げ率は圧縮されましたが、それでもかなりすごい数字が並んでいます。関西電力など、原発の稼働などで比較的、経営が安定している3社は今回、値上げを申請していません。
■「限界だ」 「規制料金プラン」値上げ 自由料金プランとの“逆転現象”
家庭の電気料金は、大きく分けると国の認可をもとに上限価格が決められている「規制料金プラン」と、電力自由化によって電力会社が自由に価格を設定できる、いわば上限なしの「自由料金プラン」があります。今は自由料金プランを利用している人がやや多いですが今回、各社が値上げを申請しているのは「規制料金プラン」です。 本来であれば、電力会社同士が競争している自由料金プランの方が割安となるはずですが、去年から世界的な燃料費の高騰が起きているため、自由料金の方が規制料金よりも高くなってしまう「逆転現象」が起きていました。 【電気料金の逆転現象】 ◇規制料金プラン(従量電灯B/30Aで260kWh/月) 2023年1月:9126円(2022年5月は8505円) ◇自由料金プラン(スタンダードS/30Aで260kWh/月) 2023年1月:1万1222円(2022年5月は8557円) 規制料金は値上げの上限が決まっていて、電力会社がこの上限で据え置きを続けたため、上限のない自由料金が上回ったのが逆転現象の理由です。 その後、政府の補助金などもあって私たちの負担感は和らいでいますが、電力会社にとっては「規制料金は限界だ」ということで、今回7社が政府に値上げを申請したというわけです。規制料金を値上げするには、政府の認可が必要です。