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防護服は雨がっぱ、消毒液はウォッカ 代用品確保に向けた動き広がる

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THE PAGE

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、医療現場での防護服不足が深刻化していることから、大阪市の松井一郎市長が市民に「雨がっぱ」の提供を呼びかける事態となっています。また厚生労働省は、アルコール消毒液の不足に対応するため、医療機関などに対して、アルコール濃度の高いお酒を消毒液として代用することを認める決定を行いました。物資の不足が深刻な状況ですから、こうした柔軟な取り組みは評価できますが、ここまでモノ不足が深刻になっているのは、緊急時における物資の確保や備蓄が十分ではなかったことの裏返しでもあります。近い将来、同様の感染爆発が発生する可能性が高いという現実を考えると、「次」に備え、物資を確保する取り組みも同時並行で進める必要がありそうです。

 大阪市が市民に提供を求めているのは、一般的な新品の雨がっぱです。大人用であれば、形状やサイズ、色などは問わず、ポンチョでもよいそうです。医療機関では防護服の不足が深刻化しており、代用が可能な雨がっぱを提供してもらおうという試みです。  同じく医療現場では消毒用アルコール不足も深刻になっています。日本はアルコールの多くを輸入に頼っており、以前から調達ルートの強化について指摘する声がありました。こうした事態を受けて厚生労働省では、酒造メーカーが製造するアルコール濃度が高いお酒について、やむを得ない場合には、消毒液として使用することを特例として認める通知を行っています。アルコール濃度が70%から83%のお酒が対象で、具体的にはウォッカなどが相当します。また、酒造メーカー各社も、高濃度アルコールの製造に乗り出している状況です。

 日本は太平洋戦争中、兵器の製造に用いる金属が極端に不足し、政府が金属類回収令を公布した歴史があります。この施策によって、全国の銅像やお寺の鐘、マンホール、家庭では鍋や釜、ブリキのおもちゃなどあらゆるモノが回収され兵器に転用されました。また、ガソリンも極度に不足したことから、バスなどの公共交通機関は木炭や薪などを使って動かす木炭自動車(代用燃料車)に改造されました。  今は非常事態であり、医療現場の維持が最優先課題ですから、利用可能なものはすべて利用するという取り組みは重要でしょう。一方で、過度に輸入に頼らない体制を構築していれば避けられたモノ不足もあります。感染の長期化が確実視されるだけでなく、近い将来、同様の感染拡大が発生する可能性が高いという現実を考えると、重要物資の調達ルートの確保や備蓄など、今後の備えについても検討が必要でしょう。 (The Capital Tribune Japan)

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