優希美青、映画「10万分の1」で大親友・平祐奈との共演に「すごく自然に演じられたと同時に、複雑な感情になった」
120万部突破の宮坂香帆の原作漫画「10万分の1」が映画化され、11月27日(金)にいよいよ公開。白濱亜嵐(EXILE/GENERATIONS)と平祐奈がダブル主演を務め、難病・ALS(筋萎縮性側索硬化症)に立ち向かう強い姿と、人と人とのつながりを描く。平祐奈演じる桜木莉乃の親友・橘千紘を演じた優希美青に、作品への想いを聞いた。 【写真を見る】花柄のワンピースがカワイイ!無邪気な笑顔を浮かべる優希美青 ■千紘は少し大人びていてお姉さん的存在 ――「10万分の1」という作品にどんな印象を受けましたか? 最初は切ない物語なのかなと思ったんです。でも読み進めていくと、前向きに支え合って生きていく姿や、若さならではの考え方や行動も描かれていて素敵だなと思いました。 ――今作で演じたのは、ALSという難病を抱える桜木莉乃(平祐奈)の親友・橘千紘。どんなキャラクターですか? 同級生なんですけど、少し大人びていてお姉さん的存在です。莉乃に彼氏ができたときもすごく心配していて、「不幸にしたら許さないから!」って莉乃を大切に思っている。強さを持っている女の子に見えますが、本当はすごく泣き虫なんですよね。だから莉乃の病気を知ったときは本人よりも泣いてしまうんです。 ――似ている部分はありますか? それが結構真逆なんですよね。実は、莉乃を演じた祐奈とは実生活でも仲が良くて親友なんです。普段は祐奈の方がお姉さんで、撮影現場にお弁当を作ってきてくれたりするんです! 何でも気づいて受け止めてくれる祐奈にはすごく甘えてしまいます(笑)。なので、普段とは真逆の関係性を演じるのは不思議でした。 ■一緒にいられるのが当たり前じゃない。今という時間に感謝 ――親友の祐奈ちゃんと一緒に仕事するのはどんな気持ちでしたか? 撮影が始まる前から毎日会っていたほど元々仲良しで距離を縮める必要がなかったので、その部分ではすごく自然にできました。進んでいくうちに、もし祐奈が本当にALSになってしまったら……と考えることが自然と多くなりました。想像するだけですごく複雑な気持ちになって、まさに演じた千紘そのものの感情だったと思います。 ――役を通して感じたことはどんなことですか? 周りの人の大切さを改めて実感しました。病気が進行していくシーンを撮るにつれて、本当にリアルに感じてしまって……。もし大切な人が病気になっても、最後まで支えたいなと思いました。誰もがいつ病に侵されるか分からないし、いつまでも一緒にいられるのが当たり前じゃないんだなって。今という時間に感謝しましたね。 ――印象的に残っているシーンはありますか? 個人的に楽しかったのは体育祭のシーンです。高校時代はあまり行事に出席できなかったので「体育祭ってこんな感じだったんだ」と疑似体験できた感じです。誕生日をお祝いしてもらったりする場面もとても楽しかったです。 ■大切な人に連絡したくなるような作品 ――学生時代に戻ったら、体験したいことは? 放課後にみんなで遊ぶのが憧れでした。同じ学校に彼氏がいたら、朝早く登校して話したり、放課後に待ち合わせてデートしたり(笑)。あと、修学旅行にも行きたい! 普通のことを体験して、青春を味わいたいですね。 ――劇中では彼氏にお弁当を作っていましたが、料理は得意ですか? それが、料理はまったくできないです…。最近、卵焼きが焼けるようになったレベルなので(笑)。 ――恋愛模様も見どころのひとつ。主人公の「告白して気まずくなるなら友達のままがいい」というセリフがありましたが、共感できる? できますね。なかなか気持ちを伝えることができないので…。その反動で、お付き合いしたらかなりべったりしちゃうと思います。祐奈から連絡がないときも「あれ…」って思って、壁からチラッってのぞいてるスタンプを送ったりしちゃうので(笑)。 ――この映画を通して届けたいことは? 今あることって当たり前じゃないと実感する作品だと思います。大切な人がいなくなるかもしれないし、病気になるかもしれない。だから日々感謝の気持ちを持っていなきゃいけないと思いますね。物語も素敵で、高校生2人が幸せになろうと前を向く姿にキュンキュンするんです。見終わったあと、大切な人に連絡したくなるような作品です。 ■しっかりと自立した大人の女性に ――デビューして8年。女優としての経験を重ねて、駆け出しのの頃の自分と変わったなぁと思う部分はありますか? 以前は、見た人が分かりやすいお芝居を心がけていたんです。感情や仕草で「このコは今、辛いんだな」と分かってもらえるようなお芝居をして、現場でもそれを求められていました。でも、最近は自然体を求められることが多いので、自然ってなんだろうと考えるようになりましたね。 ――2021年春には井上祐貴さんとのダブル主演を務めた映画「NO CALL NO LIFE」も公開されます。今回、演じたのは、親の愛を知らず、悲しい過去を背負った女子高生・有海という難しい役柄でしたが。 まさに自然体で挑んだのがこの作品で。監督に「役作りをせず、そのままで演じてください」と言われたんです。しかも「優希さんにはどこか闇を感じるので、そこを出してください」とも言われて(笑)。最初は言われていることが分からないまま現場に入ったんですけど、演じているうちに「この役は私のままなのかもしれない」って思い始めて。これまでは、“この役ならどうするか”を考えてお芝居していたんですけど、この作品は“自分ならどうするか”を大切にしました。無意識のうちにセリフを自分の言葉に直して言っていたらしくて、その場の感情で演じることができたんです。私自身、今までに知らなかった自分を知ることができた作品です。 ――2020年も残りわずか。2021年はどんな年にしたい? どの人が見ても、心に響くお芝居に憧れるんです。投げかけるお芝居、受け止めるお芝居、両方ができる人になりたいです。これまでは暗い役やおとなしい役が多かったので、明るい学園モノや同年代の方との現場で刺激を受けながらたくさん学びたいと思っています。プライベートでは、そろそろ独り立ちをしなきゃいけないなって思っていて、しっかり家事ができる、ちゃんと自立した大人の女性になりたいです。