「空前の低視聴率」にあえぐ秋ドラマ それでも“ナンバー1の良作”と言われる異色のサスペンスとは?
地味だが良作も
「また、テレ朝の深夜ドラマ『無能の鷹』は朝ドラ『おむすび』と同じ根本ノンジ 氏の脚本ですが、こちらのほうがずっと面白い。有能そうな外見なのに中身はポンコツの主人公に菜々緒をキャスティングしたことが勝因と言っていいでしょう。同じく日テレの深夜ドラマ『3年C組は不倫してます。』はそれほどの数字ではないものの、TVerで初回100万再生を超えています。こちらは高校生が結婚したうえで不倫するという、意表は突くものの決して絵空事ではない世界をのびのびと描いています」 GP帯よりも深夜帯のほうが攻めたドラマが多いということだろうか。 「悪目立ちしない枠のほうが思い切ったドラマを作りやすいという面はあるでしょう。今期、大凶作と言いつつも、視聴率と再生数を共に稼いでいるシリーズ物ではないGP帯のドラマが1本だけあります。TBSの金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』です」 主演は柳楽優弥。市役所に勤める洸人(柳楽)は自閉スペクトラム症の弟・美路人(坂東龍汰)との二人暮らしで、弟のルーティーンに合わせた日々を過ごしていたが、そこに突然「ライオン」と名乗る男の子(佐藤大空)が現れて生活のリズムが狂っていく。ライオンは一体誰なのか……というヒューマンサスペンスドラマだ。 「初回5・1%とコケましたが、TVerでは初回200万再生を突破しました。TVerのお気に入り数も102万超となっており、第2話以降の視聴率を6%台に押し上げました。ドラマ通のなかでは、今期ナンバー1の良作という声もあります」 脚本は「私の家政夫ナギサさん」(TBS)や「おっさんずラブ」(テレ朝)で知られる徳尾浩司氏と新人の一戸慶乃氏によるオリジナル作品だ。 「来年はこうした作品がもう少し生まれてくれればいいのですが……」
デイリー新潮編集部
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