世界一 レッドソックスが上原に賭けたリスク
期待以上の活躍の原動力は「熱い思い」
ではなぜ、彼らが揃って期待以上の活躍が出来たのか。 その問いには、オルティーズが簡潔に答えを出している。 「2004年や2007年に優勝したときと比べると、選手個々の能力は、今年の方が落ちる。しかし、言えることがある。今回の連中の方が、熱い思いを持っている」 最大の功労者は、そういう選手を集めたベン・チェリントンゼネラルマネージャー(GM)ということになるのだろうが、対照的に今回のレッドソックスの優勝を、レンジャーズのジョン・ダニエルズGM兼社長はどう見ていたのだろう。 2011年、レンジャーズはトレードで上原を獲得したが、オリオールズに放出したのはなんと、今年、打撃部門で2冠を獲得したクリス・デイビスだった。そして昨オフ、レッドソックスのオファーを見て、上原にはそれだけの価値はないと判断し、手を引いた。 それらがいずれも、レッドソックスとは対照的に裏目に出てしまったのだから、今頃、苦虫を噛み潰したような顔をしているかもしれない。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)