シリア・アサド政権を見捨てた? “最大の後ろ盾”ロシア・プーチン政権の思惑は
■トランプ氏とプーチン氏の関係は?
現在、ウクライナへの攻勢を強めているロシア。来月、トランプ次期大統領の就任で、情勢はどう変わるのか。プーチン大統領は元々、トランプ氏と関係が深いとされている。 ワシントン・ポストによると、2人はトランプ氏が1期目終了後も最大で7回、プライベートで電話していた可能性があるという。 トランプ氏に関しては、「ロシアマネーの影」という話も出ている。フィナンシャル・タイムズによると、トランプ氏が1990年代~2000年代初頭に不動産ビジネスが危機に陥った際、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)が支援していたのではないかという話も出ている。 元時事通信社モスクワ支局長で、ソ連崩壊を現地で取材した拓殖大学・客員教授の名越健郎さんによると、ロシア側に弱みを握られているとの説もあるという。
■「またトラ」で…強硬姿勢を加速させる
こうしたなかで、今ロシアはウクライナへの攻勢を強めている。 ウクライナ国防省によると、北朝鮮兵士をウクライナの前線に投入しているという。また、新型中距離弾道ミサイル「オレシュニク」でウクライナのインフラ施設を破壊するなどもしていて、さらにタス通信によると、核兵器の使用条件を示した「核ドクトリン」を改定し、戦争当事国の支援国も核攻撃の対象とした。 こうした強硬姿勢の裏に何があるのか。
■強硬姿勢を強める背景に“最側近”の復権か
ロシアの独立系サイト・ゴスドゥムスカヤによると、政権内で強硬派パトルシェフ氏の影響力が再び高まってきたという。 パトルシェフ氏はプーチン大統領の最側近とも言われる人物で、プーチン氏と同じサンクトペテルブルク出身で同じくKGB出身と共通点も多い。 ロイター通信によると、パトルシェフ氏はロシアの国家安全保障会議の書記として16年間政治の中枢にいたが、今年5月の人事で造船業を監督する大統領補佐官に降格していたという。 ゴスドゥムスカヤによると、パトルシェフ氏は「プーチン氏を取り巻く陰謀」を本人に信じ込ませることに成功し、再びプーチン大統領に接近した可能性があるという。そして、プーチン大統領に対し、強硬路線を堅持するよう説得したという。 そんなパトルシェフ氏は今、帝政ロシア末期に暗躍した怪僧ラスプーチンのような存在になっているとも言われている。 ラスプーチンは皇帝を意のままに操ったとされる人物で、パトルシェフ氏は今そうした「影の実力者」と目されているようだ。