〈ルイジアナ近代美術館〉建築家によるモダニズム住宅×家具|デンマーク【北欧各国、クリエイターの住まい】
北欧を拠点に活躍するクリエイターは、どんな部屋に暮らしているのか。インテリアデザイナーからブランドのファウンダー、ギャラリストまで、北欧各都市、今をときめくクリエイターたちの部屋を訪ね、ドキュメントしました。 【フォトギャラリーを見る】 今回は、ピーター・マーラー・ソーレンセンさんの家。北欧の新進インテリアブランドのCEOが住むのは、〈ルイジアナ近代美術館〉を手がけた建築家によるモダニズム住宅。プレーリースタイルの建築を舞台に、カラフルな家具が際立ちます。 Area:ヴェドベック Size:220平米 Type:Detached House
「未来の北欧クラシック」となる家具作りをブランドのDNAとする、〈プリーズウェイトトゥービーシーテッド(PWtbS)〉。CEOのピーターさんが住むのは、コペンハーゲンから北へ25kmほどの港町、ヴェドベック。この先には、庭園の美しさで世界的に名高い〈ルイジアナ近代美術館〉がある。 「プレーリースタイルの建物は〈ルイジアナ〉を手がけた建築家ヨルゲン・ボーとヴィルヘルム・ヴォラートによる設計で、1961年に建てられたものです」
この家を選んだ理由は、なによりミッドセンチュリーの建物が好きなのと、海にも森にも近い環境が気に入ったから。キッチンの床は大理石を二重にして補強、内壁は〈ルイジアナ〉の内部にも使われているオレゴンパイン材に。また、会話を楽しみながら料理ができるよう、オープンキッチンに改装した。
色彩でバランスする、新旧の北欧家具。
「この家のインテリアは、北欧モダンではないかもしれません。というのは、メインに置いている〈PWtbS〉はダイバーシティなブランドで、デザイナーの出身国も幅広いからです。子どもの頃、学校の椅子は《セブンチェア》でしたから、北欧モダンには親しみを感じていますが、ここには置いていません。クラシックな住宅に同時代の家具を合わせるとミュージアムのようですし、私たちには現代のプロダクトの方が使いやすいから」
とは言いつつ、親しんできた北欧家具、例えばポール・ヘニングセンの照明は欠かせない。不快感の少ない光を放つ照明はデンマーク人が「ヒュッゲ」と呼ぶ、家族との温かい時間を演出してくれるから。色彩もこだわりの一つだ。 「モノトーンが主流だった北欧インテリアですが、今は〈PWtbS〉がブランド立ち上げから使っていたカラフルな色の家具が増えました。バリエーションが広がるのは喜ばしいことだと思います」
photo_Maya Matsuura text_Chieko Tomita