火星の衛星は崩壊した小惑星の破片から形成された? 新たな研究が示唆
JAXAのミッション「MMX」で採取されるフォボスのサンプルに期待
研究チームはこの仮説を検証するために、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の火星衛星探査計画「MMX(Martian Moons eXploration)」に期待を寄せています。MMXはフォボスに着陸して採取したサンプルを世界で初めて地球に持ち帰ることを目指すミッションで、JAXAは2026年を目標に探査機の打ち上げを予定しています。 2024年11月21日にはMMX探査機に搭載されるサンプリング装置のフライトモデルが完成したことをJAXAが発表しています。また、MMX探査機には11の科学ミッション機器の1つとしてNASAとのパートナーシップにもとづいて開発されたガンマ線・中性子線分光装置「MEGANE(Mars-moon Exploration with GAmma rays and NEutrons)」が搭載され、化学元素の特定と採取場所の選定を支援します。 もしも捕獲説や今回提唱された仮説が正しければ、フォボスの組成は外から飛来した小惑星の組成を引き継いでいるはずです。一方、巨大衝突説が正しければ、フォボスは衝突した天体と火星に由来する物質が混ざり合ったような組成をしていると予想されます。MMX探査機が採取するフォボスのサンプルは、火星の衛星の起源を理解するための手がかりを与えてくれるはずです。 Source NASA - Making Mars' Moons: Supercomputers Offer ‘Disruptive’ New Explanation Kegerreis et al. - Origin of Mars’s moons by disruptive partial capture of an asteroid (Icarus, arXiv) JAXA - MMX - Martian Moons eXploration
sorae編集部