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<県有明海漁協・新組合長に西久保氏>かじ取り役、3日間の難産 オスプレイ協議控え、組織内しこり懸念も

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佐賀新聞

 丸々3日、協議を続けた「難産」の末、佐賀県有明海漁協の新たなトップが決まった。陸上自衛隊輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画の協議を控える中、組合長を目指す2人がせめぎ合いとなっただけに、関係者からは「傷が癒えるには、しばらく時間がかかる」と、漁協内のしこりを懸念する声も聞かれる。  関係者の話を総合すると、総代会前に理事候補らが集まった事前協議で、次期組合長に強い意欲を示し、年長でもある西久保敏氏(63)にいったんは「決定」した。  しかし、漁協の組合員が最も多く、オスプレイの駐屯地候補地の地権者も多い南川副やそれ以外の地区の理事に、南川副支所運営委員長の田中浩人氏(58)を推す声が根強かった。このため、本番の総代会後は両者が互いに引かず、議論は平行線をたどったという。  最終的に西久保氏に決まったのは、複数の関係者が「事前協議の『決定』が重かったということ」と解説する。総代会前の非公式な席といえ、一度合意した意義は大きいとの意見があり「これ以上、傷を広げないように」という配慮で田中氏側が折れたという。  オスプレイの配備計画を巡っては、九州防衛局による漁協15支所への説明が終了。山口祥義知事は漁協に議論を要請しており、新執行部は対応を求められる。  今後について漁協の関係者は「南川副の運営委員が一丸となって推した田中氏が選ばれなかった影響がないはずがない」とこぼす。配備計画で鍵を握る地区だけに「議論の転びようによっては漁協全体の方針に対し、南川副が反旗を翻す可能性がないとも限らない」と足並みが乱れることを懸念する。  県関係者も「話し合いが難航しただけに、組織内のしこりが心配。特に南川副支所の様子が気になる」と話す。山口祥義知事が漁協に出向く時期に関しては「単にあいさつではなく、配備計画の話をしにいく意味を持つ。漁協内の雰囲気を見てからになる」との見方を示した。  西久保氏の地元の東与賀町支所が防衛局の説明をいち早く受け入れたため、西久保氏も配備計画への対応が柔軟との観測も出ていた。この点を気にしてか、西久保氏は30日の会見で「今まで一切、賛成とか言っていない。今後、みんなで決めていく」と中立的な立場であることを強調した。  配備計画推進の決議をしている県議会自民会派のベテラン議員は「オスプレイの問題がなければ、ここまでこじれなかったのでは。気の毒な感じがする」と話した。別の県議は「時間が薬になる。オスプレイの話はじっくり進めていく方がいい」とつぶやいた。

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