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綾野剛と星野源のタッグ作品が「絶対にスベらない」理由

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早くもロス現象

綾野剛(38)と星野源(39)がダブル主演した連続ドラマ『MIU404』(TBS)が9月4日に終了してから約1週間が過ぎた。SNS上には淋しがる声が溢れており、早くもロス現象が起きている。 【画像】綾野剛 18年には朝ドラ女優・佐久間由衣と「通い愛」 全11話の世帯平均視聴率は11・9%。同じTBSの『半沢直樹』の23・4%(7話まで)、同『わたしの家政夫ナギサさん』の15・1%(全9話)にはおよばぬものの、1月期のヒット作である同『恋はつづくよどこまでも』の11・6%(全10話)を超えた。「質は今期ナンバーワン」と評する識者も多い(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。 あらためて振り返ると、2人は刑事役で警視庁第4機動捜査隊の相棒同士。綾野が扮した伊吹藍は人間愛が並外れて強く、抜群の勘と運動神経を誇るが、知力は残念なレベル。一方、星野が演じた志摩一未は頭脳明晰で常識も備えているものの、伊吹と出会う前は極度の人間不信に陥っていた。 最終回で2人は、4機捜の班長・陣馬(橋本じゅん、56)に重傷を負わせた宿敵の久住(菅田将暉、27)を追った。ただし、当初は別行動。志摩は伊吹の将来を案じ、自分1人が刑事を辞める覚悟で、単独で久住に迫ろうとした。 一方、やはり単独行動だった伊吹は久住に吸わされた麻薬によって悪夢を見せられ、その中で志摩が殺されると、ためらうことなく久住を射殺した。それらは全てが麻薬による虚構だったものの、現実でも同じことをしたのだろう。 やはり2人が強固な絆で結ばれていた。それが浮き彫りにされた後、手を携えて、久住を捕らえた。 綾野と星野はこの上なく息の合った演技を見せた。掛け合いセリフの間の取り方は絶妙だったし、双方が相手を殴るシーンも演技とは思えないほど動きがシンクロしていた(第1話で志摩が伊吹を殴り、最終回はその逆)。 仕事を離れても親しい間柄ということが大きいのだろう。年齢こそ綾野が1歳下だが、「源ちゃん」「剛くん」と、ファーストネームで呼び合う仲。綾野はバンドが趣味で、星野はミュージシャンだから、その点でも親和性が高いのかもしれない。 2人は前回の共演作でも相棒同士という設定で、やはり相性抜群だった。もっとも、刑事ではなく、ともに産科の医師。作品は名作の誉れ高い『コウノドリ』(2015年、続編17年)である。TBSはCS放送のチャンネル1で『MIU404』の放送と重なる8月29日から9月8日までの間、平日深夜に集中再放送していた。地上波とCSで、たっぷり2人を見せてくれたわけで、粋な編成だった。 『コウノドリ』での綾野の役柄は赤ん坊が大好きな鴻鳥サクラ。妊婦にはもちろん、誰にでも優しかった。語り口も穏やか。また、覆面ジャズピアニストとしてライブハウスに出演していた。伊吹とは全く異質の人物。綾野の演技の幅の広さをあらためて思い知らされた。 一方の星野は四宮春樹役で、サクラとは同期だ。性格はというと、本当は優しいのにクールに振る舞うツンデレ。自覚に欠けた妊婦には厳しい口調だし、気が緩んでいる同僚を叱責することも。とはいえ、サクラとはお互いに認め合っている。言動が冷たいのも理由があった。 かつて自分が担当した妊婦の喫煙を強く止められず、それが起因となって妊婦は死亡した。生まれてきた赤ん坊にも重い障害が残ってしまった。以来、嫌われることも覚悟で妊婦にも同僚にも厳然と接するようになった。 四宮は妊婦の死亡時、隠れてさめざめと泣いた。自分の力がおよばなかったことが、悔しかったからだ。胸に迫るシーンにだった。『MIU404』でも星野が扮した志摩は泣いている。見ていた方ならご記憶だろう。事故死した元相棒の香坂(村上虹郎、23)を思い起こしたシーンである。 普段は涙と縁がないように見える星野が男泣きすると、見る側はグッとくる。四宮も志摩も重い過去を背負っていた。星野は明るい役もコメディも似合うが、デリケートに見えるタイプなので、陰のある男がハマる。 まるで長針と短針 綾野と星野はまるで時計の長針と短針のよう。長針役の綾野が突出した演技力を生かして自由奔放に動き、短針役の星野が安定した演技で綾野を受け止める。綾野は『MIU404』の放送前のインタビューで星野との関係について「完璧にフュージョン(融合)した」と語っていた。相当やりやすいのだろう。 ファンならずとも気になるのは次の2人の共演作。脚本を書いた野木亜紀子さんの意向次第であるものの、『コウノドリ』と同じく『MIU404』も続編があってもいいのではないか。ファンのラブコールは強いし、綾野や星野らキャストとスタッフが一体になって作り上げた世界をこれで喪失させてしまうのは惜しい。 海外への番組販売を考えても続編制作はプラス。現状の11話では質が高くても売りにくい。9月8日放送の『星野源のオールナイトニッポン』で野木さんが当初は14話の予定だったことを明かしたが、それでも少ない。 欧米作品も韓流作品も海外ドラマはほとんどが30話以上。海外ドラマは放送が週1回とは限らず、週に複数回放送することもあるため、10話程度しかない日本の連ドラは敬遠されるのだ。なので、作品そのものが売れた例は日本テレビの『プリティが多すぎる』(2018年)など数少ない。 『MIU404』が無理なら、2人が弁護士や検事、あるいは裁判官に扮する司法ドラマも面白いのではないか。どちらもサラリーマンに扮するオフィスドラマも人気となりそう。 綾野は7日放送の『菅田将暉のオールナイトニッポン』にゲスト出演し、「(最近の自分の役は)病んでるか、グズっているか、酒飲んでるか」と冗談めかしながら語った上で、ラブコメをやってみたいと口にした。綾野と星野と1人の女性を奪い合う物語も視聴者の興味を掻き立てるだろう。また、長編ドラマや映画で2人が相棒を演じたら、これも話題になるに違いない。 星野は10月30日公開の映画『罪の声』で陣馬役の橋本じゅんと共演する。脚本は野木さんだ。 綾野は主人公の悪徳刑事に扮した映画『日本で一番悪い奴ら』(2016年)で体重を約10キロ落とし、同『野獣死すべし』(1980年)のために10キロ減量した故・松田優作さんを彷彿させたが、ゆくゆくは優作さんのように米ハリウッドを目指してもいいのではないか。 『MIU404』でも知らしめたとおり、圧倒的にうまいのだから。 取材・文:高堀冬彦 ライター、エディター。1964年、茨城県生まれ。スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部記者、同専門委員、毎日新聞出版社サンデー毎日記者、同編集次長などを経て独立。スポニチ時代は放送記者クラブに所属

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