初デートに「ジーンズ、白いTシャツ、そして黒いブラジャー」…はもう古い?専門家が語る「快適なファッション」とは
この記事は、madameFIGARO.frで掲載されたものの翻訳版です。 初デートというのは、誰しもが頭を悩ませるもの。その場にふさわしい服装選びとなれば、なおさらだ。しかし、2024年のいま、このプレッシャーがもはや必要ない理由をふたりの専門家が説明してくれた。 【動画】TikTok動画で、自分が心地よい服を着ることの意義について語る専門家 『ニューヨーク・タイムズ』の読者がファッション批評家ヴァネッサ・フリードマンに対し、初デートのための理想的な服装は「ジーンズ、白いTシャツ、そして黒いブラジャー」かどうかを質問した。ヴァネッサ・フリードマンは、「完璧な服装など存在しないが、白は避けたほうがよいでしょう。大切なのは、全ての意味で自分が快適であること」だと述べた。つまり、2024年においても、ロマンチックなデートのための完璧なコーディネートを見つけることは簡単ではないようだ。特に、2020年以降、コロナウイルスの影響でファッションの様相が様変わりしたことから、より一層その難しさが増している。 現在のトレンドにおいて、"快適さ"はますます重要な位置を占めており、かつてのドレッシーで快適とは言えないアイテムは後退している。ソーシャルメディアで活躍するファッションコンテンツクリエーターのヴァレンティーヌは、数々のデート経験を通じてこの変化を感じ取っている。「私の考えでは、デートで目立とうとする時代は終わりました。準備を整えることは重要ですが、もはやスリットの入ったドレスやボディラインを強調するアイテム、開襟シャツなどは必要ありません」と彼女は語る。彼女にとって、初デートはそれ自体が十分プレッシャーがあるので、快適に感じられる服装が重要で、とりわけ、自分らしくいることが最も重要だと考えている。「完璧な服装とは、自信を持ち、快適に感じることができる服。それは、誰かを演じる服ではありません。」
ナチュラル志向
このコメントは、初デートでのナチュラル志向が進むもうひとつの要因、つまりTikTokの台頭と関係している。コロナ禍で急成長したこのソーシャルメディアは、競合のInstagramが長年推奨してきた「洗練されたスタイル」に影を落とすのに時間はかからなかった。Z世代が愛用するアプリでは、フィルターなしの短い動画が主流で、他人の目を気にせず、自由に自分を表現する文化が広がっている。TikTokでは、インフルエンサーたちがますます自然体を重視し、自己受容について語り、従来のルールを打破している。その結果、完璧に整えられた服装でのデートが、むしろ「古臭い」と見なされることもある。29歳のロレーナ(元パリ在住、現在カナダ在住)はこう語る。「一番大事なのは、ありのままでいること、リアルな自分を見せること。」彼女は、以前はデートのために必死でクローゼットを空にし、ルームメイトに助けを求めていたが、今ではシンプルな信念に基づいている。「今は、自分が心地よく感じる服だけを選んで着ることにしています。」 彼女にとって、この問題は主に女性に関係しているものだ。「正直に言うと、この不安を感じるのはほとんど女性だけだと思います。デート前にクローゼットを空にする男性の話は聞いたことがありません。女性はデートのためにかなりのエネルギーを使っておしゃれをするのに、デートの場所に着いてみると、目の前の男性はカーハートのジャケットを着ているなんてことも。そんなに気にしても仕方ないじゃないですか?」ヴァレンティーヌは、過剰に頑張ることはしない方がいいという考えだ。「過剰にエレガントすぎたり、セクシーすぎたりするのは古臭いです。男性がシャツを着てきた時、そのシャツが初対面のためだけのものなのか、普段のスタイルなのかはすぐにわかります。それが気になります。」ファッションの専門家である彼女は、「着飾ること」が初デートでの駆け引きのひとつであることは認めつつも、自然体のほうが断然好ましいと感じている。結局、誰でも白いスニーカーを履いているほうが、バックル付きの靴を履いているよりも、ずっと親しみやすく、少しは堅苦しさが減るものだからだ。