ギャンブル依存症の実態とは!? パチンコで地獄を経験した男性の告白
依存症に見られる「特徴」
ギャンブル依存症の対策、研究機関である「依存症対策研究センター」によれば、パチンコを含めた賭博依存症の症状には次のようなものがあるという。 〇ギャンブルにのめり込む 〇興奮を求めて賭け金が増えていく 〇ギャンブルを減らそう、やめようとしてもうまくいかない 〇ギャンブルをしないと落ち着かない 〇負けたお金をギャンブルで取り返そうとする 〇ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする 「負けた直後は、もう絶対にやらないと固く誓うんです。しかし、翌日の朝になり、店の開店時間が近づくと、今日は出るんじゃないか、と思ってしまう。そして、ときどき本当に出たりする。負けている人、借金している人がパチンコで少し勝つと、その幸福感はものすごいものがあるんです。たとえば、朝から玉が出続けて10万円勝つよりも、5万円負けていたところ、最後の最後で連チャンして6万円出るほうが、利益は10分の1でも、充実感、幸福感は10倍あります」 単に金銭の問題ではなく、依存症が精神の問題である証左であろう。 「もうひとつ、自分でもやっかいなのは、どうせやめるにしても、最後は勝って終わりたいという考えが出てきてしまうんです」 これも、よくある心理である。 「あと1000円入れれば出る」 「さすがに今日はそろそろ勝つ」 「負けたままでは終われない」 このような気持ちが、ギャンブルに向かう心理を正当化させる。
答えのない難題に直面する業界
現在、パチンコ業界を支えているのは、コアなファンが中心である。 何があってもパチンコ店に来てくれるような、そのコアユーザーこそ、業界の「生命線」である。 「あくまで私の持論ですが、コアなユーザーというのは、目的がお金であるとはっきりしています。ですから、何があっても離れないというのは少し違っていて、稼げなくなればきっぱりパチンコをやめてしまう人も多いのです。いまの若い世代は、昔の爆裂時代を知りませんので、パチンコの怖さを知らない人も多いのではないかと思います。今後、業界は依存症と向き合い、健全な台を開発するとしていますが、ギャンブル性が低くなれば、ユーザーが離れることは歴史が証明しています」 ファンに媚びれば世間から疎まれ、世間の顔色をうかがえば、ファンからソッポを向かれる。 ギャンブル依存症のほぼ全責任を押し付けられている感のあるパチンコ業界はいま、出口のない迷路に入り込んでいるのかもしれない。
(抜粋) 書籍『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』 著者:新型コロナ問題特別取材班 文:新型コロナ問題特別取材班 WEB編集:FASHION BOX ※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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