教諭と業務はほぼ変わらないのに待遇に差…深刻な欠員を補うはずの講師が登録者減で確保できず 「頼りすぎ」な教育行政の危機
教員志願者を現場につなぎ留めてきた側面も
教員採用試験で不合格になっても講師として学校現場で経験を積めることから、臨時的に教員を任用するこの仕組みは教員志願者を現場につなぎ留めてきた側面がある。学校側も児童生徒の数が変動した際や産育休の代替として、一定数の講師を必要としてきた。これまでは両者の利害が一致する形で人材の需給バランスが取れていた。
教員採用試験の受験者も減少傾向
しかし、あらゆる業界で人手不足が深刻さを増す近年、教員採用試験の受験者は減少傾向にある。教育現場全体の働き方改革が課題となる中、教諭より待遇が不安定な講師を選ぶ人は少なくなっているとみられる。
「頼りすぎている」と専門家
明星大教育学部の神林寿幸准教授(教育行政学)は、講師は教諭との待遇差があるにもかかわらず、学校側が業務の振り分けなどで頼りすぎていると指摘する。「待遇差を解消することが理想だ。予算の都合などでできないのならば、講師の業務を待遇に見合った内容にするべきだ」としている。(森優斗)