川崎汽船、7000台積み自動車専用船が完成…LNG燃料で硫黄酸化物の排出ゼロに
川崎汽船は11月28日、液化天然ガス(LNG)を主燃料とする7000台積み自動車専用船「PONTUS HIGHWAY」が完成したと発表した。
この船は8月に竣工した「NEREUS HIGHWAY」の姉妹船。LNG燃料は従来の重油燃料と比較して、温室効果ガス(GHG)の一つである二酸化炭素(CO2)の排出を25%~30%削減できる。また、大気汚染の原因となる硫黄酸化物(SOx)の排出をほぼ100%、窒素酸化物(NOx)の排出量を約75%削減できる見込みだ。
「PONTUS HIGHWAY」にはWinGD社による最新の二元燃料電子制御エンジン「7X62DF-2.1 iCER」を採用している。このエンジンはLNG燃料使用時に排出されるメタンを低減させる特徴がある。
川崎汽船は長期指針「□K□LINE 環境ビジョン2050 ~青い海を明日へつなぐ~」において、2030年までにCO2排出効率を2008年比で50%改善する目標を掲げている。さらに2050年にはGHG排出ネットゼロに挑戦することを表明している。
船の主要寸法は全長199.99m、幅38.00m、深さ39.28m、喫水9.00mで、総トン数は7万5698トン。主機関はWinGD 7X62DF-2.1を搭載し、航海速力は19.0ノットとなっている。
川崎汽船は今後も、自社の脱炭素化と社会の脱炭素化支援を推進していく計画。環境に配慮した最新技術を採用した船舶の導入を通じて、海運業界の持続可能な発展に貢献していく。
レスポンス 森脇稔