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ラオス、中国企業が環境汚染

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Japan In-depth

「大塚智彦の東南アジア万華鏡」 【まとめ】 ・ラオス北西部の河川流域で住民に皮膚病などの健康被害多発。 ・中国人経営のバナナ工場が原因か。住民の訴えに当局は消極的。 ・親中派ラオスは、新型コロナでも環境汚染にも中国に忖度か。

ラオス北西部にありタイとメコン川を隔てるボーケーオ県の支流河川流域に住む住民の間で最近、皮膚病などの健康被害が急増している。流域のある地点を境にしてそこから下流域の住民に健康被害が出ているものの、その地点から上流に住む人々には同様の皮膚の疾患などの症状はほとんど出ていないという。この健康被害の境界にあたる川沿いの地点には中国人が経営するバナナの加工工場がある。 ラオス国内の中国人経営の工場は以前も周辺に広がる住民地域への深刻な公害問題が発覚して、新規の営業許可が認められない事態となっているが、すでに営業許可を得ている工場は現行の操業許可の期限が切れるまでは操業が許されており、そうした工場での環境汚染、ラオス人住民への健康被害があちこちで深刻化する事態となっている。 米政府系放送局「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が5月15日に伝えたところによると、ボーケーオ県にあるナムファ村で最近、川で水浴びをした子供や村人の間で深刻な皮膚障害が起きているという。川の水を浴びた後全身に発疹ができて次第にかゆみが増し、そのかゆみをひっかくと皮膚がただれ、赤い斑点が全身にできる症状の被害が頻発しているというのだ。 ■皮膚病の原因はバナナ工場の化学汚染水 同村の住民らがRFAに語ったところによると、雨が降ると当該バナナ工場敷地内から化学物質を含んだ汚水が川に流れ込むほか、工場労働者が直接川に汚染水を棄てるところも何度も目撃されているという。 問題の工場は中国人が経営するバナナを輸出用に加工する工場で加工に際して使用する化学物質の廃液をきちんと処理せずに河川に不法投棄している疑いが濃厚となっている。 地元住民によると工場の下流域にあるナムファ村やナムマ村などの地帯では村人の皮膚病被害が相次いで報告されているが、上流域にあたる地域ではそうした被害はこれまで発生していない。 こうしたことから皮膚病の原因がバナナ工場からの垂れ流し化学物質にあるのは間違いないとみられているが、地元ボーケーオ県庁農業森林局担当者は「最近ナムファ村を訪問して村人から聞き取り調査をしたが、発疹やかゆみなど皮膚病の不満は聞かなかった」としたうえで「とはいえそうした被害の情報がある以上は情報収集と解決策を模索したい」と述べるにとどまっているという。 工場経営の中国人への配慮なのか、中国と蜜月関係にあるラオス政府からの指示があるのかは不明だが、ラオス当局は度重なる住民からのバナナ工場の環境破壊、公害に関する訴えに積極的に対応しようという姿勢をみせていないのが現状だ。

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