31歳に新型フェラーリ・ローマは早い? 20年落ちの“愛馬”にはない魅力に購入意欲は高まるけれど……(連載:29歳、フェラーリを買う)
『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(当時29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、ついにローマを運転した! の巻。 【写真を見る】新型ローマの詳細(27枚)360モデナオーナーが羨む注目の快適装備と実用性を徹底チェック
こんなに便利でいいの!?
「イナガキさんもローマを運転しませんか?」と、フェラーリの輸入元から誘われた。すでにローマは試乗済みだったが、そのときは助手席のみ。筆者は1mmもクルマを動かさなかった。 とはいえ、助手席に乗っているだけでも、素晴らしさは十分わかった。エンジン・サウンドは、まさに“ザ・フェラーリ”ともいうべき官能的な音色だった。 そんなローマを運転出来る機会に恵まれるとは、ありがたい。「ぜひ、お借りしたいです!」と、答えた。 12月15日、ローマを受け取るべく都内某所へ。あらためて見るローマは美しい。凹凸の少ないボディは、流麗という言葉がピッタリだ。そして、気になる最低地上高をチェック。車高調整機能がオプションでも用意されないとだけあって、十分な高さだ。隣にならぶF8スパイダーとくらべれば、一目瞭然。これなら急なスロープも難なくクリア出来るはず。 鍵を受け取り、ドアを開ける。近年のクルマで多く採用されているスマートキータイプだから、キーを携帯しているだけでドアロックが解錠される。便利だ。 乗り込むと、ローマならではの世界観がひろがる。縦型のインフォテインメント・ディスプレイが近未来的である。試乗車は本国仕様のため、使える機能は限られていたものの、操作性は悪くない。 たとえば電動シートの調整は、一部このディスプレイ上で操作する。わかりやすいイラストで調整箇所を示すから直感的でわかりやすい。 個人的には電動格納ドアミラーが嬉しい。筆者の360モデナは手動だから少々面倒なのだ。鏡面の電動調整も動きは滑らかだった。ハイテク装備満載とはいえ、各所の動きはいずれもスムーズだったから信頼性は高そう。「フェラーリを安心して長く乗るのであれば、信頼性が向上し、かつ保証やメインテナンス・サーヴィスがしっかり付帯した新車はオススメです」と、フェラーリ横浜サービス・センターの高橋忠久工場長が述べたのも頷ける。 ローマに乗ってまずは自宅マンションを目指す。ステアリング・ホイールに取り付けられたウィンカー・スウィッチに慣れるまで少々時間を要したものの、それ以外の不安はナシ。見切りも悪くないので、細い道でも怖くなかった。 わが自宅マンションは、入り口の傾斜が少々きつい。最低地上高11cmのジャガー「Fタイプ」でも問題なく入出庫出来るものの、相当慎重になる必要がある。「ローマは大丈夫だろうか……」と、不安になったものの、一切問題はなかった。驚くほどスムーズに段差を乗り越え、スロープを進む。 車庫入れも楽チンだった。高性能の360°カメラと超音波式のパーキングセンサーによって、1発で駐車出来た。ボクの360モデナでは、とくにリアがほぼ見えないので、なんどもクルマから降りてチェックしつつ駐車するのとは対照的だった。「こんなに便利でいいの!?」と、おもわず微笑んでしまった。