私立中学校に通わせるには親の「課金」次第!?受験費用と世帯年収はいくら必要?
受験のためにかかる費用も約100万円!
そして受験には、塾などの補助学習費以外にもお金がかかります。それは、入試時期にかかる受験料などです。平均的な受験料は2万5千円ですが、平均5~7校受験するため、受験だけで12万5千円~17万5千円必要になります。また、前日泊を検討する場合は宿泊料、併願校の入学金を抑えとして支払うケースなど、1~2月の入試時期だけで多いときは100万円近い出費となることもあるそうです。 先述した「子供の学習費調査」のデータによると、小学4~6年生の補助学習費は私立小146.1万円、公立小は33.1万円。しかし私立中学の受験を検討している家庭では、およそ400万円前後はみておいたほうがよさそうです。もちろんさらにお金がかかるケースも多く、中学受験を選択する世帯としない世帯では、教育費にかなりの金額差が出ることが分かりますね。
「課金ゲーム」が子どもの生涯賃金にも影響する?
どうしてそこまで、子どもに教育費をかけるのでしょうか。厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査(学歴別)」によると、大卒・大学院卒(男性)の年収は400万5千円、高校卒だと年収292万9千円。教育は生涯賃金にも影響するのです。もちろん、少しでもよい学歴を得るため、今から課金をするという親の気持ちも理解できますよね。 一方で「課金ゲーム化」する教育に、格差社会の拡大を懸念する声もきかれます。しかし、やはり教育費で家計を圧迫してしまうのは考えもの。近頃はインターネットを通じて安価で学習できるツールなども多数登場しています。自分の世帯に合った教育費のかけ方で、できる限り子どものやりたいことに寄り添っていけたらいいですね。 【参照】 株式会社ファルボ「中学受験は本当に課金ゲームなのか? 「中学受験にかかる費用」実態調査レポート 文部科学省「子供の学習費調査」 厚生労働省「国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況)」 厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査(学歴別)」
古谷 梨子