日本は貧しくなった…? サラリーマンの年収の推移
サラリーマンの平均年収が停滞しており、日本が貧しくなっているといわれることがあります。日本経済の停滞が騒がれる昨今、サラリーマンたちの年収はどのように変化しているのでしょうか。
日本のサラリーマンの平均年収
日本のサラリーマンの平均年収と聞かれて、あなたは答えることができるでしょうか。国税庁の令和2年分民間給与実態統計調査によれば、1年間を通じて勤務した給与所得者の平均給与はおよそ433万1000円でした。 その前の年の令和元年分の平均給与は436万4000円でした。令和元年と比べ、平均給与が1%減少となったようです。
20年間の平均年収の推移
平成13年から令和2年分までの給与の推移としては、平成13年時点では454万円でした。20年前と単純に比較すると、4%ほど少なくなっています。では、途中の推移はどうでしょうか。 平成13年から令和2年までの20年間の推移は次のように推移しています。
※国税庁 「民間給与実態統計調査」を基に筆者作成 途中増減を繰り返しながら、直近10年ほどは400万円台前半で推移しています。
果たして本当に日本は貧しくなったのか
貧しくなったという言葉の定義にもよりますが、仮に「自由に使えるお金が減ってしまった」ことを貧しいと考えるのであれば、日本はこの20年で貧しくなっているといえます。 消費税は5%から10%へ2倍になり、厚生年金保険料は13.934%から18.3%まで引き上げられるなど、税負担や給与から控除される社会保険料などは確実に増えています。 こうした税負担や社会保険料の増加などにより、同じ収入でも実質的な手取り・可処分所得が減っていることを考えると、相対的に貧しくなっているとも考えられます。 実際、国民の所得と税金・社会保険料の負担割合を示す国民負担率は平成13年には36.5%だったものが、令和2年度の実績は47.9%になっています。令和3年度の実績見込みでは48%になる見込みです。 少子高齢化による医療費の増大や現役世代の減少に伴う税収減などを考えると、今後国民負担率が大きく下がることは期待できないでしょう。