子供10人の大家族ママ 「日常の中に出産がある」産後うつ乗り越えSNSで『頼る・繋がる』子育て実践 【福岡】
広がる「頼る」「繋がる」子育て
SNSで多くの人と繋がっている紫織さんは、育児相談を受けるほか全国で講演したりランチ会を開くなど『頼る』『つながる』子育て術を広めている。元々は完璧な母親像を追い求め、自分1人でなんとかしようとするタイプだったが、産後うつを経験する中、3人目の育児が転機となったと振り返る。「自分のキャパオーバーを感じたし、意外と頼まれたら嬉しい人が世の中にはいると気付いたから。自分もそうだけど、これ手伝って、助けてと言われると『いいよ』って自分も言うし、他人も同じじゃんと思って。あとは一歩勇気を出して『助けてほしい』と言えるかどうか」と紫織さんは語る。 紫織さんの『頼る』『つながる』子育て術を実践している母親もいる。3人目を出産した福岡市に住む薗田らもさん。この日はSNSで繋がった小学2年生の母親が、薗田さんに代わって部屋の掃除や食事の下ごしらえをしていた。 「ちょっと野菜を切っておいてもらうだけで、やっと3人目の子をかわいがれるというか。心の余裕ができると、上の子たちにも『あれして、これして、早くして』ではなく、ちゃんと向き合える時間が増えてきた」と話す薗田さん。約10人が代わる代わる週に3日ほど訪れ、無償で家事や育児を手伝ったり薗田さんの話し相手になったりしている。 薗田さんは「ここが限界かなと子供を諦めちゃう感じがあったんですけど、そこが取っ払えるならあと1人2人子供がいてもいいかな。自分が動けるようになったら返していけばいいんだというところは紫織さんを見ていて思う」と子育ての考えた方が変わったと話す。
子供を産んでくれてありがとう
少子化が進む中で「子供が増えるほど楽しい」と発信し続ける紫織さん。年の差があっても兄妹で過ごした楽しさを覚えておいてほしいと、新しい家族が増えるたびに家族写真を撮っている。 核家族化や共働き世帯の増加など家族のあり方が変わる中で、どう子供を育てるのか。紫織さんが目指すのは、優しい社会だ。「人と繋がるのを面倒と思う人がいる。そりゃ面倒。人と関わりあうのは。でもその先に凄く助かる道があって、私が目指すのは優しい社会。子供を産んでくれてありがとう、じゃあ助けるよ、みんなで育てていこうと言える社会になることが大事だと思う」。紫織さんは、男性や独身の人なども無理なくできることをして、みんなで子育てをすることができる社会を目指し、きょうもSNSで発信を続ける。 (テレビ西日本)
テレビ西日本