<新幹線走行試験>「かもめ、ようこそ」 嬉野・武雄市民、手旗で歓迎
九州新幹線長崎ルート武雄温泉-長崎(西九州新幹線)の走行試験が佐賀県内でも始まった11日、武雄温泉駅と嬉野温泉駅では市民らによる歓迎セレモニーが開かれた。白いボディーに赤いラインが鮮やかな新車両「かもめ」が新しい軌道を進んでくると、集まった市民から歓声が上がり、手旗やうちわを振って出迎えた。 嬉野温泉駅ホームでは、市内の全小学6年生ら約300人が手旗を振り、「かもめ」を出迎えた。午前10時過ぎ、トンネルから白い車体が顔を出すと、児童からは「わーっ」と歓声が沸いた。式典では嬉野小の古川ひゆりさんと古川大智さんが運転士に花束を手渡した。 古川大智さんは「かもめの前の部分や動きがかっこよかった。開業したら自分も新幹線に乗って長崎に遊びに行きたいし、多くの観光客が嬉野に来てくれたらうれしい」と声を弾ませた。村上大祐市長は「嬉野にとって100年の念願となる鉄路を迎えることができて感無量。開業まであと135日。駅を拠点に“うれしい”と思ってもらえるようなまちづくりをしていきたい」とあいさつした。 武雄温泉駅では抽選で選ばれた市民と関係者約500人がホームに集まった。新幹線が到着すると、携帯電話のカメラを構えた市民が一斉にシャッターを切った。近くの武雄市役所の3階テラスにも市民が集まり、市役所が配布した記念のうちわを振って歓迎ムードを盛り上げた。 試験車両の運転士山口耕右さん(34)は武雄市出身。歓迎セレモニーで「新たな交通インフラで武雄の魅力を全国に発信したい」とあいさつ、小松政市長も「西九州の東の玄関口になるようしっかりと準備を進めたい」と期待を込めた。ホームで新幹線を見守った観光ボランティアガイドの宮後登さん(68)は「乗り換えで(武雄で降りずに)真っすぐ行かれては困る。乗客に途中下車してもらえるようなガイドメニューを考えないと」と開業後を見据えて話した。(澤登滋、山口源貴)
澤登滋,山口源貴