【東スポ杯2歳S】非凡なスピードと確かな成長を見せているプレシャスデイに注目/新人記者のトレセン日記
[GⅡ東京スポーツ杯2歳ステークス=2024年11月16日(土曜)2歳、東京競馬場・芝1800メートル] 今週は社杯のGⅡ東京スポーツ杯2歳杯Sが行われます。今回は、出走馬の中でも一番直近で勝利をつかんだプレシャスデイ(牡・伊坂)を取材してきました。 取材前の下調べで、プレシャスデイの兄姉や近親はダートで好走した馬が多いことに気付きました。実際に取材の中でも伊坂調教師の口からは「ダートだと思うんですけど…」という言葉が。それでも芝のレースで結果を出している要因は「ストライドが大きくピッチもすごいんですよね。だからスピードが出る」という天性の走法にあるそうです。「不思議なことに芝でも非凡なスピード」とも。「ストライドとピッチを兼ね備えている馬はなかなかいないですし」とも評価していました。 デビュー戦と前走ではメンバー最速の上がりを記録。特に前走は2馬身半差をつける強い勝ち方を見せています。それでも今回は不安があるそうで「時計的な裏付けがないので、全体時計が速くなったときにどうなるか」ということ。そしてその展開になったときに「果たしてあの瞬発力が出せるのか」。今まで経験したことのない状況に対応できるかがカギになりそうです。 ただ、やはりすごいと感じたのは追い切りのタイムでした。最終追い切りは美浦ウッドでの3頭併せでしたが、併せたうちの1頭と併入して、ラスト1ハロンは11・4秒。「この時間(に追い切られた2歳馬の中)で2頭だけでした」と追い切りの内容を絶賛します。 それだけではありません。「夏は食べても実にならなかったんですけど、今は食べたものが実になっています」と担当厩務員の松本さん。そして「大人になっています。北海道、勝つ前、勝った後と体がしっかりしてきています」とも。その理由について「新馬のときに積んだものが土台になっている」と説明してくれました。 今回のメンバーを見ると、東京で勝ち鞍があるのはプレシャスデイを含めて3頭のみ。キャリア3戦も強みになりうるでしょう。夏からの成長分と、芝・ダートを超越した非凡なスピードが、出世レース制覇につながるのかが見どころです。
栗栖 歩乃花