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『逃げ恥』はなぜ時を経ても色あせないのか? 「再編集版」からも感じた、枯れることのない“愛”

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リアルサウンド

 『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系、以下『逃げ恥』)が、『ムズキュン! 特別編』として再び多くの人を笑顔にしている。2016年10月期に放送された本ドラマは、高学歴で居場所がない森山みくり(新垣結衣)とプロの独身・津崎平匡(星野源)の雇用関係としての“結婚”を描いたラブコメティ。星野源が歌うエンディングの「恋」に合わせてキャストが踊った“恋ダンス”も大きな話題となり、多くの人がリズムに乗って楽しんだのも記憶に新しい。 【写真】ロボットを見て微笑む新垣結衣と星野源  5月19日に第1話が放送されると、本放送時の10.2%を上回り、視聴率11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯平均)を記録。Twitterでは「逃げ恥」がトレンド世界1位を獲得した。なぜ『逃げ恥』は、時を経てもなお人々を魅了するのか。

2020年の今こそ考えたい「必要とされること」

 就職活動に全敗し、派遣先でも“1人”の枠に選ばれない。そんな切ない状況に置かれた自分を、テレビ番組のパロディで脳内再生し、なんとか前向きに生きようとしているのが、主人公・森山みくりだ。「みんな誰かに必要とされたくて、でも上手くいかなくて、いろんな気持ちをちょっとずつ諦めて、泣きたい気持ちを笑い飛ばして、そうやって生きているのかもしれない」。  “みんな同じ”という息苦しさを脱した先に待っているのは、“自分で歩くしかない”というある種の孤独。人はどうしたら心地よいつながりを持ちながらも、自立した人生を歩むことができるのか。そんな課題を抱えたまま、私たちは新型コロナウイルスによって様々なものと距離を取らざるを得なくなってしまった。  仕事を失わざるを得なかった人。急な生活の変化に厳しい思いをしている人。夫婦や家族と同じ空間にいることに窮屈に感じた人。心無い言葉や、思いもよらなかった他人の行動に、傷ついた人も……。就職しても、結婚しても、社会が豊かになっても、私たちの生きる世界は常に不安定なのだと、改めて思い知らされた。  そんな中での『逃げ恥』の特別編。『逃げ恥』が問いかけるのは、知らずしらずのうちにかかっている呪いを吹き飛ばす柔軟さ。“こうしなければならない”、“◯◯なんてけしからん”、そんなふうに頑なになっているときこそ、思い足したいのが平匡の語るこのフレーズだ。「逃げたっていいじゃないですか。逃げるのは恥。だけど役に立つ」。  自分自身の命や心を守ることができるのであれば、それは世間一般がいう立派ではなくとも試す価値はある。もしかしたら、それが新たな「普通」となる発明になることだってあるかもしれない。例え、誰かに社会に「必要ない」と言われているような気がしても。自分が自分を幸せにできることを諦めないでほしい。『逃げ恥』という作品に、誰もが心を温かくするのは、コミカルなタッチのドラマの中に、そんなエールを感じるからだ。

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