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永住外国人巡る政府世論調査はなぜ批判されるのか 排除思想前面、「多いと思いますか」「取り消す制度設けるとしたら…」

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 「日本人との結婚で通常より早く永住者資格を取得した後、すぐに離婚するケースは確かにあって、入管内部には、こうした〝偽装永住者〟を排除したいとの問題意識があります。何とかしたいと考えているときに、参議院で付帯決議が付いたので、これに便乗して永住者制度をいじろうとしている可能性があります」  入管庁が永住者に厳しい視線を注いでいるのは統計にも表れている。永住者数全体は増えているものの、許可率は毎年減少している。法務省によれば、13年は6万2965件の申請を処理して4万5179件の永住者資格を許可した(71・8%)が、18年の許可率は51・7%。実務に詳しい行政書士も「公表されないため感覚的な基準だが、単身申請者の場合、以前は年収280万円程度で許可されていたが、300万円ないと現在は厳しい」と審査の密かな厳格化を指摘する。  また、鈴木教授は「『移民政策はとらない』と主張する安倍政権にとって、特別永住者も含めて永住資格を持つ者が在日外国人283万人の4割近くも占めるというのは不都合なのでしょう」と背景に官邸の存在を挙げる。

 ▽「外国人も生身の人間」 非政府組織(NGO)「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」と全国難民弁護団連絡会議は2月4日、抗議声明を発表した。「今回の世論調査は『排除』の論理の下、移民難民に対する規制や厳格化を企図し、『国民』にいたずらに不安を与えることで、政府の方針への同調を誘導するかのような質問構成である」と非難し「政府には不安や分断を煽るのではなく、誰もが安心できる真の『共生社会』実現に向けた取り組みを進めることを強く求めたい」と訴えた。  入管庁の担当者は「永住者のあり方については不断に検討しており、今回の世論調査結果を踏まえてまた検討を進める」と話す。「例えば、生活保護になった永住者の資格の取り消しは現状ではできないが、果たしてそれでよいのかと多方面から意見が寄せられている。許可の取り消しが可能となるのかどうかこれから検討する」  外国人との共生社会を掲げておきながら、日本社会に定着した永住外国人を排除する方向で検討を進めようと動き出す入管庁。イシ教授は戸惑いながら訴えた。

 「どうして、日本の人々は単に『社会保険料を収めなくなった』とか『生活保護が必要になった』という理由でこの社会に長く暮らす外国人の永住資格が取り消されてもいいと思うのでしょうか。そういう目に遭うかもしれない生身の人間、身近な隣人としての『外国人』の気持ちに対する想像力があまりにも欠けているのではないでしょうか」

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