【英国製にこだわるポロシャツ】モッズカルチャーを牽引した、「フレッドペリー」とは?
元々はスポーツ用として誕生したのに、いつしか音楽カルチャーの象徴的なアイテムとなったものって、結構あるんです。例えば、ナイキのエアフォース1とか、アディダスのトラックスーツとか。フレッド ペリーのM12も、そんな1枚です。 史上初のグランドスラムを達成したフレデリック・ジョン・ペリー氏が、自身の名を冠したテニスウェアブランドを設立したのは1952年のこと。現在はトータルウェアブランドとして世界的に展開していますが、やはりその原点は1950年代後半に登場したM12、通称メイド イン イングランド シャツでしょう。 同アイテムは、いわゆるポロシャツ。鹿の子生地にリブ襟、ハーフプラケットが特徴です。もちろん、スポーツウェアとして評価の高いアイテムですが、音楽好きの間ではスポーツウェアというよりも、モッズカルチャーを象徴する1枚としての印象が強いのではないでしょうか。1960年代に盛り上がったモッズカルチャー。M12は、スポーツ、ファッション、音楽に熱狂するとイギリスの若者たちにとって憧れの存在であり、そのイメージは現在にまで脈々と続いています。 現在でも、オアシスのリアム・ギャラガーやブラーのデーモン・アルバーン、レディオヘッドのトム・ヨークなど、イギリスを代表するロックバンドのアーティストたちが、こぞって袖を通しています。
胸に刺繍されるローレルリース=月桂樹の葉。月桂樹の葉は、ウインブルドンのマークにもかつて採用されており、フレッドペリーはその創業時に、ウインブルドンから正式に月桂樹の葉の使用認可を受けています。
夏コーデに打って付けなペールトーン。M12は、カラバリの豊富さも人気の理由です。現在ラインナップされているのは、なんと全29色! ちなみに、モデル名の由来は、フレデリック・ジョン・ペリー氏が12番目にデザインしたアイテムだからです。 M12、通称メイド イン イングランド シャツは、その登場以来、英国製にこだわり続けています。もはやファッションアイテムの域を超えた、イギリスのユースカルチャー史におけるヒストリックアイテムだけに、それってとっても大切なことですよね。 Photo:Naoto Otsubo Styling:Takahiro Takashio Text:Masafumi Yasuoka