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レナウンショック、アパレル倒産連鎖の足音

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東洋経済オンライン

 だが、結局売掛金は回収できずじまいだった。レナウンの取締役会で意見がまとまらない中、苦肉の策で、保険業務を行う子会社・レナウンエージェンシーが債権者としてレナウンの民事再生法適用を申請した。  債務保証を実行せず、レナウンを”見殺し”にした山東如意の真意は定かでない。業界関係者の間では「もはやレナウン浮上の兆しが見えなかったため、53億円を支払わずに、見切りを付ける考えだったのでは」との見方も多い。

■スポンサー探しは茨の道  今後レナウンは店舗の営業を継続しながら、新たなスポンサー探しを進める。しかし「現時点でスポンサーのメドは立っていない」(レナウン関係者)といい、交渉は難航が予想される。    レナウンの基幹ブランドであるダーバンは高級ビジネススーツで知られるが、顧客の高齢化や職場のカジュアル化により売り上げは年々減少。足元では新型コロナで在宅勤務が急速に広まり、さらなる落ち込みが必至だ。  大型SC(ショッピングセンター)を中心に展開する「アーノルドパーマータイムレス」も、かつての知名度やブランド力はもはやない。業界関係者は「レナウンに残っている価値は、国内商標権を所有しているイギリスブランドの『アクアスキュータム』くらい」と手厳しい。

 衣類販売が低迷する厳しい状況下で、スポンサーに名乗りをあげるアパレルはそうそう出てこないだろう。SCなどに展開する大手アパレルの幹部は、「とうてい支援対象にならない。百貨店が主要販路である以上、当社の既存事業とのシナジーも考えにくい」と切り捨てる。  アパレル企業以外で注視されるのが商社やファンドの動向だ。中でも繊維事業に強い伊藤忠商事グループはレナウンと取引があったうえ、山東如意とも資本関係を持つ(2011年に出資)。

 ただ、ここ最近は伊藤忠もEC(ネット通販)プラットフォームなど次世代の流通チャネルの開拓に投資の重きを置いている側面もあり、業界関係者の間では「伊藤忠の意向は岡藤(正広)会長次第。直接手を差し伸べる可能性はそう高くないだろう」との声も上がる。ファンド関係者も「一部の顧客以外にはレナウンのブランドは知名度が低い。出資するには付加価値を見いだしづらい」と及び腰だ。 ■業界に広がるレナウンショック  仮に支援先が見つからず破産に至ってしまえば、下請けのアパレル事業者や百貨店への影響も避けられない。

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