25年ぶりに新人記録を更新された与田氏が語る、横浜DeNA山崎の凄さ
横浜DeNAの快進撃を支えているのが、ルーキーストッパー、山崎康晃投手(22)の存在である。ここまで18試合登板で13セーブ、2ホールド、1敗で防御率、2.45の成績。そのうち12試合あるセーブ機会の登板では、防御率0.00。8日の巨人戦では、6-5の9回に登場、高橋由、橋本、金城の3人を圧巻の三者連続三振にうちとって9試合連続セーブに成功した。1990年に中日時代の与田剛氏が持っていた新人の連続セーブ記録「8」を25年ぶりに更新した。 セーブ機会での登板だけを連続記録としてカウントするメジャーと違い、日本の場合は、セーブ機会でない登板でも連続記録が途絶えるため、ベンチの采配やチーム事情との絡みで、連続セーブ記録を作ることは難しいのだが、山崎は首位を走るチームの勢いを象徴するかのように連続セーブ記録を続けている。 「最後に投げるピッチャーだから気持ちを強く持って、チームの勝利のためにしっかりと投げる準備をしています」 亜細亜大出身。阪神との競合の末、横浜DeNAにクジを引かれた山崎は、まだ幼さの残っている表情で強気でしっかりとした自分の言葉を発する。 山崎の何が凄いのか。新人が記録を作ることはなぜ難しいのか。 記録を破られた元祖セーブ王、与田剛氏に聞いてみる。ちなみに与田氏も亜大OB。 「記録については、まったく知らなかったというか、覚えていなかったんです。25年ですか? もっと、いろんな選手が出てきてもよかったと思うんですけどね。そもそもストッパーという大事なポジションには、なかなか新人選手が起用されません。アマチュア時代に専門にしているピッチャーはほとんどいないし、チーム事情に左右されますよね。 横浜DeNAは、昨年も山口の不調で新人の三上が抜擢されましたが、その三上が、今季はキャンプから故障。山崎の起用は苦肉の策でしたよね。ただプロ野球は結果がすべて。山崎の適性を見極めた横浜DeNAのベンチの決断と、それに応えている山崎の能力が素晴らしい。山崎は、ストッパーの条件を満たしています。フォークというウイニングショットを持っています。打者が手を出すゾーンから鋭く落とせますから、カウント球としても使えています」