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「従業員の退勤は11時」「凶器はこれ」……リモートで強盗のやり方をコーチした男の手口

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文春オンライン

 犯罪グループが複雑化・多様化している昨今、遂に「コーチ」まで登場した。  今年3月17日午後11時過ぎ、東京・瑞穂町のパチンコ景品交換所に刃物を持った男らが押し入り、現金約773万円を奪う強盗事件が発生。現場にいなかった“第4の男”が6月17日、逮捕されたのだ。 【写真】この記事の写真を見る  社会部記者が解説する。 「警視庁は5月に20~24歳の実行役3人を強盗容疑などで逮捕。彼らの供述に基づき、武蔵友佑容疑者(34)を強盗幇助(ほうじょ)容疑などで逮捕しました。武蔵は仙台市で床や天井の仕上げをする内装工として普通に働く傍ら、リモートで犯罪グループに強盗のやり方を指南する“裏稼業”に手を染めていたようです」  一体、どんな内容を教えていたのか。 「武蔵は実行犯のリーダー格の男と連絡を取り、従業員が退勤する時間を教え、待ち伏せするよう指示。『凶器はこれを持って行け』『手袋を用意しておけ』などと懇切丁寧にアドバイスしていた。連絡には、一定時間が過ぎるとメッセージが消去される通信アプリ『テレグラム』を使う念の入れようでした」(同前)  実行犯は教え通り、従業員の退勤時間の午後11時を待って犯行を決行する。従業員の男女2人が帰宅しようと景品交換所の扉を開けると、バンダナや帽子で顔を隠した2人がすぐさま包丁のような刃物を持って侵入。「殺すぞ。金を出せ」と脅し金庫を開けさせ、中の売上金を強奪した。  武蔵の口座には報酬として数万円が振り込まれており、取調べに対し「強盗のやり方を教えたのは間違いない」と容疑を認めている。

“指南役”が現れた背景

 捜査関係者が背景を語る。 「最近は犯罪グループがSNS上で『闇バイト』と称して強盗の実行犯を集めている。集められた人間は当日初めて強盗をすると知る場合もあり、素人も少なくない。今回の事件も、実行犯はツイッターなどで知り合った犯罪グループの末端とみられている。武蔵は都内で発生した複数のアポ電強盗に“指南役”として関与した疑いがあり、ノウハウを持っていたようだ」  また、警察はコロナ禍を背景に危機感を強める。 「コロナの影響で生活苦に陥った人が犯罪を犯すケースが目立っており、今後は『闇バイト』に安易に応募する人が増える恐れがある。武蔵のような存在をマークすることがさらに重要になってくるだろう」(同前)  今回の実行犯は最初の事件後、近くにある別の景品交換所にも押し入ったが、こちらは未遂に終わった。 「警視庁は未遂の事件に武蔵の関与はなかったとみている。もう一度指南していれば成功したかもしれませんね」(前出・社会部記者)  その優れた指導力を生かす別の道はなかったのか。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年7月2日号

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