北村匠海×伊藤健太郎「よく健太郎からは『匠海の声聞いたら泣けてきたわ』って言われます」
「アイツら付き合ってんじゃねえか」と言われるぐらい、よく会ってた(笑)
この関係は、ライバルであり、盟友だ。 あの人気コミック『とんかつDJアゲ太郎』がまさかの映画化。二宮健監督によるポップな映像と、ブルーノ・マーズをはじめとしたファンキーな音楽という衣をまとい、こんがりジューシーに揚がってスクリーンに登場する。 【全ての写真】『とんかつDJアゲ太郎』北村匠海×伊藤健太郎インタビュー 注目のキャストは、主人公・アゲ太郎役に北村匠海。そして、アゲ太郎のライバル・DJ屋敷役を伊藤健太郎が演じる。北村と伊藤といえば、1997年生まれの同い年。2016年に放送されたドラマ『仰げば尊し』(TBS系)で初共演。若かりし10代の頃を「売れてえなあ」と語り合った“盟友”が4年ぶりにタッグを組んだ。 そこには、このふたりだから分かち合える特別な感慨があった。 ※本取材は9月21日に行われたものです。 ●「アイツら付き合ってんじゃねえか」と言われるぐらい、よく会ってた(笑) 「『仰げば尊し』で初めて会ったときの感想は……お互いトゲトゲしかった!(笑)」(北村) 「あの頃は、全員ぶっ飛ばそうと思ってたからね(笑)」(伊藤) 「健太郎とか怖すぎて、最初はめっちゃ年上だと思ってたから(笑)」(北村) 「新しい輪に入るときは最初にナメられたら終わりというのが、中高時代に培った僕の持論で(笑)。特に学園モノということもあって周りは同世代ばっかだから、絶対にナメられないようにずっとひとりでいた」(伊藤) 「僕らふたりともヤバかったよね。僕も(劇中で演奏する)トロンボーン持ってこうやってた(笑)(と、前かがみになって威嚇するような顔)」(北村) 「同じ(笑)。サックス持ってこうやってた(と、前かがみになって威嚇するような顔)」(伊藤) そんなふたりだが、撮影の帰りのバスで一緒になったことから意気投合。これまでのことからこれからの夢まで何でも話せる友人となった。 「1回、家に遊びに行ったら、匠海がいろんなレコードを聴かせてくれて」(伊藤) 「ちょうど僕が趣味でDJを始めたばかりの頃で。今はお互い忙しくてなかなか会えないけど、20歳ぐらいのときはしょっちゅう会ってました」(北村) 「『アイツら付き合ってんじゃねえか』って言われるぐらいね(笑)」(伊藤) 初共演から4年を経て、すっかり売れっ子俳優に成長したふたり。それぞれ立場は変われども、お互いへの信頼は変わらない。 「面白いのが、メンタル的に食らったときとか、しんどいときに、匠海にテレビ電話しがちなんですよね」(伊藤) 「僕も。お互い落ちてるときに連絡しがちだよね(笑)。うまくできない自分に悔しさを感じたときとか、何か心の底にあるものをさらけ出したいとき、健太郎の顔が浮かんでくる」(北村) 「すぐ電話しちゃう。で、声聞いたら顔が見たくなるから、結局テレビ電話になるっていう(笑)」(伊藤) 「で、『匠海の声聞いたら泣けてきたわ』とか普通に言ってくる(笑)」(北村) 「(恥ずかしそうに)あははは」(伊藤) 「そういう熱いところが健太郎はあるんです」(北村) 今回の現場でも、そんな友の存在が支えとなった。 「本格的なコメディは今回が初挑戦。普段のお芝居は現場の感覚というか呼吸でやるんですけど、コメディということもあって、こうすれば面白いんじゃないかというのを考えすぎちゃって、どんどん気持ちが負の方向に向かっていた時期があったんですね」(北村) 「控え室に帰ってくると、チーンッてお通夜みたいな顔になってた(笑)。やっぱり匠海は主演ということもあって背負うものも大きかったんだと思う。だから、頑張ってる匠海を支えたくて、よく共演者のみんなで一緒になって匠海を笑わせたりして盛り上げていました」(伊藤) 「確かに今回ほど主演であることを意識した作品はなかったかもしれない。自分の中で主演は作品の軸にならなくちゃいけないという気持ちが強くて、かなり気負っていたところがあったんですけど、そのプレッシャーを軽くしてくれたというか。支えてくれたみんなとの絆が、何かこの映画から醸し出される“エモさ”や“青春感”に結びついたところはあるのかなと思います」(北村)