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ツーブロック禁止以上に意味不明。田澤ルール、日本球界を貶める「5つの問題点」

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REAL SPORTS

海を渡って12年、田澤純一が独立リーグの埼玉武蔵ヒートベアーズに入団した。メジャーリーグで世界一も経験したほどの実績と経験を持つ男がNPB12球団に入団することを許されなかったのは、通称“田澤ルール”の存在によるものだ。 このルールが、どれだけ日本球界が恥ずべきものか。5つの観点から問題点を挙げながら、あるべき姿を提案したい。 (文=花田雪)

世界一の実績・経験を持ちながら、プロ野球12球団に入れない理不尽なルール

日本にも世界にも、不可解なルールや法律はいくつも存在する。 先日、SNSを中心に「都立高校のツーブロック禁止」の校則が話題となった。 東京都議会議員の池川友一氏が今年3月の予算特別委員会でこの校則について「なぜ、ツーブロックはだめなんでしょうか?」と質問したところ、都の教育長からは驚きの答弁が返ってきた。 「外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがございますため、生徒を守る趣旨から定めているものでございます」 池川議員の言葉を借りるまでもなく「意味不明」である。 そして今、日本の野球界でも、同じように「意味不明なルール」が大きな話題となっている。 田澤ルール――。 7月13日、今年3月にシンシナティ・レッズを契約解除された田澤純一が、ルートインBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズに入団することが発表された。 田澤自身にとっては実に12年ぶりの日本球界復帰となるが、その所属先はNPB12球団ではなく独立リーグ。2018年を最後にメジャーの舞台から遠ざかっているとはいえ、その実績、実力を考えればNPBで争奪戦が起こっても不思議ではないはずなのに、だ。 その障害となったのが、この田澤ルールだ。

ルールの内容から導入の背景まで、すべてが意味不明

2008年、当時新日本石油ENEOSに所属していた田澤は、「1位指名確実」と呼ばれるドラフトの目玉だった。しかし同年9月11日、NPBを経由せずに渡米、メジャーリーグに挑戦する意思を表明して12球団にドラフト指名を見送るよう求める文書を送付。結果的に同年ドラフトで田澤は指名されず、12月4日にボストン・レッドソックスと契約し、翌年メジャーデビューを果たしている。 ドラフト1位指名が確実視されている選手が指名を拒否し、メジャーに入団したのはこれが初めてのケースだった。 これに慌てふためいたのがNPBだ。田澤のような前例が作られたため、球界ではその後も有力なアマチュア選手が直接メジャーに挑戦する潮流が生まれるのではないかという懸念が生まれた。そこで設けられたのが、「日本のプロ野球のドラフト指名を拒否して海外のプロ球団と契約した選手は、海外の球団を退団した後も大卒、社会人は2年間、高卒選手は3年間、NPB球団と契約できない」とするルールだ。 このルールは、そのきっかけとなった本人の名前から、一般的に「田澤ルール」として現在まで定着。皮肉にも田澤自身がそのルールのあおりを受け、NPBに入団できないという悲劇を生んでしまった。 ここまで田澤ルールについて概要を説明してきたが、やはり「ツーブロック禁止」以上に「意味不明」と言わざるを得ない。 ルールそのものはもちろん、その導入の背景など、何から何まで納得できないことばかりだ。 すでに多くのメディアが田澤のBCリーグ入りを受けてこのルールに疑問を呈しているが、ここであらためて、田澤ルールの何がおかしいのか、一つずつ検証してみたい。

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