「あふれている情報をどのように活用するか」地域のリスクを“まちあるき”で自分ごとに【わたしの防災】
静岡放送
私たちの住む街には、大雨や地震などの災害から住民を守る「防災施設」が数多くあります。その施設を見て回り、地域のリスクを知ることで大切な命を守ってもらおうというワークショップが開かれました。 【写真を見る】「あふれている情報をどのように活用するか」地域のリスクを“まちあるき”で自分ごとに【わたしの防災】 <静岡理工科大学 中澤博志教授> 「これって何だかわかります?この壁、難しいかな。水の流れから川岸を守るという役割の『護岸』と言います」 11月、静岡県伊豆の国市で開かれた防災ワークショップ。テーマは「まちあるきで学ぶ防災」です。地域にある防災施設の役割を学び、災害への意識を高めてもらうことが目的です。 <講師> 「ため池とは、農業用水を確保するために人工的に作られた池のこと」 <静岡理工科大学 中澤博志教授> 「中には、通常のため池もあれば、防災重点として『防災ため池』というのもある」 参加者は、ため池には大雨の際に水をたくわえ、洪水を防ぐ役割があることを学びました。 2024年9月、石川県の能登半島を襲った豪雨災害。「地球温暖化」の影響で雨量が15%ほど増えていたと気象庁の気象研究所などが発表しました。能登半島と地理条件が似た伊豆半島にある伊豆の国市。市内には、狩野川のほか、小さな河川がたくさん流れています。温暖化が加速すれば、川があふれたり、土砂が崩れたりするなど、大雨災害のリスクは高まるばかりです。 <参加者> 「ため池は、一定の保水の能力を持っていて、それで周囲の浸水を防ぐ役割を担っていることがわかってよかった」 「ハザードマップとかよく日常で見かけますけど、意外と目で気にしたこととかなかったので」 中澤教授は、街を歩くと防災に関する情報が自分ごとになると話します。 <静岡理工科大学 中澤博志教授> 「情報自体があふれているんですけれども、その得た情報をどのように活用するかというところまでは市民の方というのはなかなか思いが至らないことが多いと思います。情報を活かすためにも、自分が住んでいる街とかをよく知るということが非常に大切ですので、あらためて見て回る」 一方、伊豆の国市では、小・中学生を対象に土のう作りや防災の知識を高める講座などを開いています。目指すのは、防災意識の高い街づくりです。 <伊豆の国市危機管理課 大川一正係長> 「市民主体でいろいろ防災にのことについて考えて行ってもらって、行政は全力でそのサポートをしていくっていうような流れができたら一番理想かなと」 他にも、県と連携し、「わたしの避難計画」という防災パンフレットを各自治会に配っています。