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浅川ADB総裁:「移動阻害」がコロナ後の最大リスク

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オルタナ

浅川雅嗣アジア開発銀行(ADB)総裁は11日、講演で「ポストコロナの最大リスクは、国境を越えた人・モノ・サービス・資金・情報の移動や国際協力が阻害され、成長や開発のポテンシャルが損なわれることだ」と指摘した。ADBは、中国・武漢市の医療機器関連物流企業への緊急融資など、200億ドル規模の途上国支援を開始したことも明らかにした。(オルタナ総研コンサルタント=室井 孝之)

ADBは1966年設立、本部はフィリピン・マニラ。加盟国は、域内国49、域外国(米国、英国、独国、仏国など)19、合計68カ国・地域である。中国・台湾両国が加盟している。出資シェアは、日本・米国が共に15.6%で第1位。アジア・太平洋諸国への融資、技術協力が主な業務だ。 長期戦略である「ADB戦略2030」は、貧困の撲滅に向けた努力を継続し、豊かで、包容力があり、災害のショックに強靭で、持続可能なアジア・太平洋地域の実現をビジョンに掲げている。 SDGs視点では、2030年までに全プロジェクトの75%に「男女平等」推進の要素を盛り込み、「気候変動・防災対策」を盛り込む。2019年~2030までに800億ドルの気候変動対策を実施する。その他、「貧困削減」「農村開発と食料安全保障」が優先課題である。 総額200億ドルのADB新型コロナウイルス対応緊急支援パッケージでは、政府向け支援として、180億ドルを拠出し、「医療器具の緊急調達」「医療提供体制の拡充」「低所得者層向けの現金・生活必需品の給付」「金融セクター向け・中小企業向け支援」に充てる。 4月以降、インドネシア、フィリピン、インド、ブータン、キルギスタン、バングラデシュへの融資を行った。 民間企業向けには、20億ドルを拠出し、「当座の運転資金の確保」「雇用の維持」等に対応する。 浅川ADB総裁は、アジア地域の開発途上国における今後のリスクとして、「新型コロナウイルスの第2・第3波の感染拡大」「もともと脆弱な医療システムの崩壊」「家庭、企業、政府の債務超過による金融危機」「低所得者層、脆弱層への支援不足による社会不安の発生」を指摘した。 「国境を越えた人・モノ・サービス・資金・情報の移動や国際協力が阻害され、成長や開発のポテンシャルが損なわれるリスクこそポストコロナの最大のリスク」と締め括った。 講演は、Webライブ「日経SDGs/ESG会議」で行われた。

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