“高給”の代名詞、テレビ局の年収はコロナ禍でどう変わったのか?
“高給”の代名詞であるテレビ局社員の年収は、コロナ禍でどう変化したのか。動画配信サービス、広告会社の年収も含めたテレビ関連企業の年収をチェックしてみよう。
視聴率トップ「日本テレビHD」の業績推移
電子書籍やフードデリバリーアプリなど、ネットビジネス系企業のCMを地上波テレビで目にする。ネット企業側にしても、テレビ広告の波及効果は依然として高い、という評価なのだろう。ただし、若年層を中心にテレビ離れが進んでいるのも事実。2019年には日本でもテレビメディア広告費がついに、ネット広告費に追い抜かれた。
新型コロナの感染拡大という状況にあって、新潮流ともいうべき“巣ごもり需要”を取り込み、業績を拡大している企業も散見される。今回は、テレビ局の現状と従業員年収にスポットを当ててみた。
年間視聴率トップをキープしているテレビ局の勝ち組、日本テレビホールディングス(HD/9404)の概要をグラフで確認してみよう。18年3月期以降、グループ全体の売上高は、4200億円台が続いている。微増での推移と見ていいだろう。
タイム収入、スポット収入、番組制作費は、グループ中核企業である日本テレビ放送網の数値である。番組提供スポンサーであるタイムCMの収入は、ほぼ横バイ。番組と番組の間に流されるスポットCMの収入は下降傾向を示している。支出科目である番組制作費と人件費は、微減ないしは横バイである。
1100億円を超していた番組制作費は、2010年3月期に908億円まで落ち込んだものの、そこから増加に転じて18年3月期には984億円まで回復。19年3月期と20年3月期は、再び減額に転じたというのがここ15年における推移だ。
人件費は従業員数の増減にもよるが、220億円台の17年3月期と18年3月期が、総額ではピークといえるようだ。
上のグラフには、コロナ禍の直撃を受けた、20年4月から9月までの6か月間の状況も加えている。前年同期間(19年4月-9月)と比較して、グループ売上高や日本テレビ放送網の主要科目すべてがマイナス。とくにスポット収入の落ち込みと番組制作費のマイナス幅が目につく。