MERIDA・REACTO TEAM-E【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】
最新の注目モデルをサイクルジャーナリスト・ハシケンが100km徹底インプレッション。 今月は、3年ぶりにフルモデルチェンジを果たし、 第4世代へと生まれ変わったメリダのエアロロード「リアクト」の全貌を明らかにする。
エアロロードのセンターポジションをねらう次世代リアクト
エアロロードのセンターポジションをねらう次世代リアクト ロードバイクシーンを牽引するメジャーモデルが相次いでフルモデルチェンジを果たしている豊作の2021モデル。世界第2位のシェアを誇るメリダの旗艦モデル「リアクト」も前作から3年の時を経て待望のフルモデルチェンジを迎えた。 2013シーズンからUCIワールドチームに供給を開始して7シーズンめ。2011年に誕生したリアクトの進化は常にトップレーシングシーンとともにあった。世界で戦う第一人者である新城幸也(バーレーン・マクラーレン所属)も今作で3世代を乗り継ぐことになる。国内でも長年にわたり宇都宮ブリッツェンのチームバイクとして活躍している。 そんなグローバルブランドは、およそ半世紀前に台湾で創業し、現在は本場欧州のドイツ・シュツットガルトにあるR&Dセンターで開発され、アジアの自転車中枢である台中で製造される。なお、メリダは「美利達」と表記され、「美しく、どこへでも走っていけて、そして楽しい」という意が込められている。 今月はディスク専用設計としてケーブル完全内装化を実現し、正常進化を果たした第4世代のリアクトが示す次世代エアロレーサーとしての実力を感じてみようではないか。
TECHNOLOGY 【テクノロジー詳細】
ディスクブレーキモデルのみの開発となり、ケーブル完全内装化など細部までアップデート。 新たにカーボン素材CF5を採用するなど 前作を踏襲しながらも再構築された新型リアクトのテクノロジーに迫っていく。
完全内装化だけではない数多くの独自テクノロジーが光る
前作に続き、空力性能を高めるメリダ独自のNACAファストバックチューブを採用。エアロダイナミクス性能と軽さを両立する新型リアクトは、東邦、東レ、三菱ケミカルという大手ブランドの炭素繊維を配合したハイエンドカーボンのCF5を採用する。CF5は軽量シリーズ「スクルトゥーラ」での実績もあり、今回初めてリアクトにも投入された。 コクピットはヴィジョンのメトロン5D ACR一体型ハンドルによって、ケーブル完全内装化を実現。フロントフォーク先端のエアロフィンやフレームとのインテグレーションを改良するなど空力性能を向上させながら、フレーム965g、フォーク457gを実現。エアロロードとして一線級の軽さを手に入れている。 いっぽうで、リアクト伝統の快適性もブラッシュアップさせる。振動吸収性を高めるS・フレックステクノロジーを採用するシートポスト、細身のシートステーが快適性を追求。 このほか、ディスククーラーやリアディレイラーのダイレクトハンガーの採用、最大30mmのタイヤクリアランスの確保など細部までアップデートを果たしている。