定員割れの県立高「定員120人で志願者68人、倍率は0.57倍」甲子園出場校も消えていく…高校野球の厳しい現実「校名が消える前に実現した69年ぶり“最後の試合”」
「名前が変わる前に、試合ができてよかった」
伊那北野球部は現在部員数27人と多いが、田中監督も地域の現状をひしひしと感じているという。 「寂しさもありますが、学校の運営面や生徒の学校生活の豊かさを考えた場合、再編は仕方ないかなと思います。高校が少なくなると地域の方が応援できる高校も減ってしまうことになりますが、その中でも応援される学校やチーム作りをしていきたいと考えています。今回は名前が変わる前に、こうして試合ができたのは本当によかったです」(伊那北・田中監督) 両校が来年甲子園に出場し、対戦するというケースを除けば、現校名では今回が“最後”の試合となった。校名だけではなく、ユニフォームも完全に同じとは限らない。甲子園出場校でさえも、少子化の波に飲まれ、学校の形が変わる例は、今後も続くだろう。 かくいう筆者も新庄北野球部のOBである。OBとしては学校の形が変わってしまうのは残念だが、高校野球の変化や高校再編のとば口に立つ両校が、どのような未来を作っていくのか見守っていきたい。
(「甲子園の風」沼澤典史 = 文)
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