水道料金、三重県が据え置き 来年度から2年間 市町の反対受け 県議会常任委
三重県議会は12日、総務地域連携交通、防災県土整備企業、教育警察の各常任委員会を開いた。企業庁は防災県土整備企業常任委で、18市町から徴収している水道料金を、来年度からの2年間は据え置くと表明した。エネルギー価格の高騰などを理由に来年度から引き上げる方向で検討していたが、市町の反対などを受けて据え置きを決めた。一方、内部留保金の大幅な減少から「抱えられるリスクは2年間が限界」といい、令和9年度以降の対応を巡って改めて市町と協議する方針。
企業庁「事業経営は可能」と判断、内部留保で対応
〈防災県土整備企業=中瀬信之委員長(7人)〉 企業庁は今年6月の県議会常任委で、資材費の高騰や水道施設の老朽化対策に伴う負担増などから「経費の増加は避けられない」と説明。来年度から水道料金を引き上げる方向で検討していた。 これに対し、県営水道から受水する18市町は「企業庁は多額の内部留保金があり、値上げは理解できない」などと、引き上げに反対。市長会と町村会は引き下げを求める要望を県に提出した。 これを受け、企業庁は来年度から5年間の水道事業会計について、物価上昇分を改めて精査するなどして収支の見通しを試算。料金を据え置いても「資金運営上は事業経営が可能」と判断した。 一方、料金を据え置いた場合、7年度時点で約45億円の内部留保資金が11年度には約19億円に減少する。「90億円程度は内部留保が必要」とし、9年度以降の料金を改めて検討する。
教職員カスハラ、9・7%経験 相手は保護者が最多
〈教育警察=喜田健児委員長(6人)〉 県教委は公立学校の教職員らを対象に実施したカスタマーハラスメントに関するアンケートの結果を報告。回答者の9・7%に当たる358人が、昨年度中にカスハラを受けたと答えた。 県教委によると、アンケートは先月11日から同月25日まで、県内の小中学校や県立学校、教育委員会事務局の約1万5千人を対象に実施。約25%に当たる3703人から回答を得た。 昨年度中にカスハラを受けた358人のうち、34・4%に当たる123人が1回あたり1時間を超えて対応したと回答。対応の相手は「保護者」が最多で308人(86・0%)だった。 教職員が受けたとされるカスハラの内容で最も多かったのは暴言で、241人が回答した。長時間の電話や居座りが214人、過度な要求が181人、威嚇や脅迫が150人だった。