「自分がどう思ってるのかわからん!」……そんな発達障害の人からも回答を引き出せる「ウマい質問方法」とは
「何が食べたい?」「何をしたい?」こちらがそう尋ねているのに、ハッキリした返答がなくてイライラ……という経験が、だれにでも1度くらいはあるでしょう。しかし発達障害の人や、その特性が見られるグレーゾーンの人には、「何」で始まる問いかけは答えにくいものなのです。では、どのように問いかければいいのか、漫画家・野波ツナさんが、発達障害の夫との生活体験や専門家への取材から見つけ出したいい知恵を紹介します。 【漫画】発達障害・グレーゾーンの人にわかってもらうコツとは… 『発達障害・グレーゾーンの あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』(野波ツナ/著、宮尾益知・滝口のぞみ/監修)は好評発売中!
「どう思う?」ではなかなか答えられないことが多い
発達障害がある人の中には、自分の意見をまとめたり、主張したりすることが苦手なタイプの人もいます。私の夫・アキラさんもそうでした。 考えをまとめるのが超苦手な「あの人」と話し合いをすると、なかなか相手の意見を引き出すことができずに苦労します。ついイラッとしてしまう……という人もいることと思います。 でも、「あの人」に怒る前にちょっと立ち止まって振り返ってみてください。もしかしたら、問いかけ方に問題があって答えられないのかもしれません。 一般に、相手への問いかけには次の2つの形式があるといわれています。 (1)オープン・クエスチョン 「なぜ?」「どう思う?」など、相手に自由に答えてもらう形式 (2)クローズド・クエスチョン 「AかBか、どちらがいい?」のように、限られた選択肢のなかから選んでもらう形式 日常生活では(1)が使われることも多いのですが、「あの人」と話し合うときは(2)のクローズド・クエスチョンを利用するのがおすすめです。なぜなら「あの人」は、オープン・クエスチョンに応えるのが苦手だからです。 たとえばアキラさんの場合、(1)の形式で「どう思う?」と問いかけると、自分がどう思っているのかが分からなくて答えられなかったと、本人から聞いたことがあります。